滅びゆく国(8)
更新いたしました。
「よし、ここまでだ」
「ありがとうございます」
「昼には王都に着く、打ち合わせの間馬車の前ででも待ってってくれ」
規則正しい彼等の生活と道中の魔獣の群れとの魔法と剣を使った戦闘で見た集団行動での戦いをアキラは素晴らしいものと感じていた。
そして自分も朝練を申し出ててそのパートナーをニィーが受けてくれていた。
「魔法と、剣での闘いがゴーレムを使った闘いに置き換わって来てるなんて」
チャアが肩に乗りながら溜息をついた。
「・・私達とゴーレムを使うことで歩兵や騎兵が戦闘してもどうしょうもなくなっちゃって」
「魔法でゴーレムを倒せないのか?」
「魔力が強い者なら、足止めぐらいなら・・、ダンジョン産のゴーレムを倒す時でも昔は何人か強い魔力を持った者が命がけで倒していたのよ」
「ゴーレムを操作することで戦いが一変してしまってるんだね・・」
出発の準備が整い再び馬車での移動が始まった。
「ようこそ、ここが我が王都だ」
隣に座るニィーが遠くに見えてきた城壁とその奥に見える城と城下町を笑顔で指差していた。
「広い」
アキラが知る欧州の城壁都市の数倍以上はある壮大な光景だった。
「落ち着いたらアキュラ殿、今度は本格的な手合わせをお願いしたいな」
「え、俺がニィーさんとですか?」
「ああそうだ、君の太刀筋どうみても素人じゃない楽しみにしてるよ」
「俺、民間人なんですけど・・」
「村人でも強い者はいるよ」
そう言って再びニィーは笑った。
城門の管理棟迫ると馬車は城門内から王宮騎士が集団で現れいったん停車する。
不思議そうにアキラがしているとニィーが呼び出され何か話し合っているようだった。
「すまない、疲れているだろうがこのまま王宮に向かって王族会議に出席してもらう」
「え、何でですか?」
「チャア殿の話を聞きたいそうだ」
「俺も一緒なんですか」
「当たり前だ、君とチャア殿は一心同体で有りゴーレム騎士なのだから」
「ゴーレム騎士・・」
「そうだ」
「そうよ・・」
「・・チャア!」
当たり前の様に言うチャアにアキラは頭を抱えていた。
アキラを乗せた馬車は更に城下町を進み王宮に向かう。
しばらく進むとニィーが。
「街の様子がおかしい」
「人があまり歩いていませんね」
チャアも残念そうに。
「露店とか有ってもっと賑やかだったのに」
そして王宮の前で合図と同時に橋は降ろされ直ぐに城門は開かれた、そのまま馬車は場内に進入する。
「今、正門じゃなかったのですか」
「ああ、正門だよ、よほど急いでるのだろう最短で向かうから足早に頼む」
アキラはニィーと共に王宮最上部に向かって走り出した。
どうか次回もよろしくお願いします。
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