古の戒律により呪縛されし王都「ウロポロ」(4)
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「すまないが、城の監視所まで案内する、そこに「ぜら・あな」商会の者が迎えに来るので合流しててくれ。しかしパーナ女王が本日午後に開く臨時会議の結果次第ではまた後日呼び出しがあるかもしれない・・、パーナ様がどの様に話を持っていくかだが・・、とりあえずゆっくりとしていてくれ」
トロフが午後の準備にと足早に執務室へと戻って行った二人を見送るとアキラに今後の予定を手短に話した。
「色々問題を運び込んで済まない・・」
アキラが詫びると、トロフは更に言葉を続けた。
「問題は知らずにいるより、知って対策を考える方が大事な事だぞ、それと・・パーナ女王は神殿に関わる者達は何をするのにも抵抗勢力として苦労しているからああいった態度だが・・この国の国民は殆んどが神殿を敬い古い戒律の中生活している、キラをもっと保守的にしたものが大半だと心して接してほしい」
その言葉にアキラはパーナの置かれた状況と重さが伝わってくる思いだった。
「・・そうか、だからいつも自らが動くことで現状を変えようと努力しているんだね」
「そうだ、自ら行動する事案が多すぎて、我々としては大変なんだがな・・」
トロフは少し困り顔をしながら笑った。
アキラが城の監視所の中で待たされていると、一台の馬車の音が近づいてくる。
「「ぜら・あな」商会の迎えが来ました、貴方は何者なのですか?」
不思議そうな顔をした門番の兵士がアキラを迎えに来た。
外に出ると高級そうな馬車の前に二人の紳士が深いお辞儀をして待っていた。
慌ててアキラもお辞儀をしながらあいさつする。
「アキラです、よろしくお願いします」
すると初老の紳士が頭を上げアキラをを見つめながら言葉を返す。
「初めてお目にかかります私は商会の支配人をいたしております「アナ・ジャンニ」と申します」
そう言って再び頭を下げた。
「支配人さん!、・・お世話になっておりました・・」
アキラも再び頭を下げる。
「どうぞ、馬車にお乗りください「ピガン」から話は伺っております「命の恩人」でもあり優れた戦士でもあると・・」
「いえ、雇っていただいていたんですから当然です・・、そんなにかしこまらないでください」
アキラがたまらず馬車に乗りながら更にもう一度頭を下げる。
その様子を見てジャンニはにこりと笑う。
「「ピガン」に聞いていた通りの、若き良き異邦人の戦士でおられるな『聖戦士』殿」
「・・」
ジャンニの言葉にアキラは商会での自分の立場が激変している事を感じ取っていた・・。
次話もどうかよろしくお願いします。
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