黒い大洋に沈む幻の大陸「ランディア」の海底迷宮(7)
更新いたしました。
(駄目です、降りれません!、このまま転送してもらえませんか)
アキラの言葉にバイフー(白虎)は明らかに不機嫌な口調で答える。
(神殿が破壊される可能性がある、何とか降りられないのか!)
(シャトルーズが、黄麟が言う事を聞いてくれません・・こんなこと一度もなかったんですが、諦めて上層階を目指しましょうか?)
しばらくの沈黙の後、バイフー(白虎)は呻る様な念話で魔法を詠唱しだす・・そして。
(【雷壁】)
強烈な雷の壁がシャトルーズを囲む。
(バイフー(白虎)さん、何を・・)
今まで、親切で温和な性格の持ち主だと思っていたバイフー(白虎)の行動にアキラは驚く。
(チーリン(黄麟)、貴方様は全てを理解した上でその少年の・・異邦人の味方になるという事なのですか・・)
そして、バイフー(白虎)の後ろには、十数体のゴーレムがゆっくりと姿を見せた。
(バイフー(白虎)失敗だったな、最初から今までの侵入者同様始末すれば良かっただけの事だ・・、チーリン(黄麟)だけを傷つけず取り戻そうなどと考えていたのだろう)
ショワンウー(玄武)が攻める様に言い放ちバイフー(白虎)の横に立つ。
「俺を騙していたのか、シャトルーズを降りたら殺そうとしていたんですか!」
アキラが叫ぶ。
薙刀のような形状をした槍をショワンウー(玄武)が構える。
(抵抗すると、お前の母が傷つくことになるぞ、おとなしく討たれる事だ)
アキラが抵抗できずにいると、ショワンウー(玄武)がアキラの居る胴への直突を放つ・・その刹那、シャトルーズがシャトルーズイエローの光に包まれ【雷壁】諸共、槍を吹き飛ばす。
「シャトルーズ・・」
シャトルーズは明らかに戦いの姿勢をみなぎらせていた。そして、構えを取り直すショワンウー(玄武)のその動きは母がかつて道場で見せていた姿そのものだった。
「ショワンウー(玄武)、貴様その構えは!」
(まだ、学習中だがな・・そうか、貴様にもわかるのだったな・・)
大きく一呼吸おいてアキラは、シャトルーズは剣を二刀抜く。
「母に何かあれば、貴様たち全員の命、完全なる死で償ってもらう」
アキラのその言葉に呼応するようにシャトルーズの輝きが増す・・、そして、その両目が開きその瞳からシャトルーズグリーンの輝きを放つ。
(退け、ショワンウー(玄武)、彼はチーリン(黄麟)は本気だ)
バイフー(白虎)が叫ぶ。
(我らにも被害が出そうだな・・)
構えを解くことなくショワンウー(玄武)が答える。
(全員、道を開けろ、今は私に決定権が有る)
バイフー(白虎)がシャトルーズを解放する様皆に命令を出す。
ゴーレム達が開いた空間を縫う様にシャトルーズは翅を広げ光を放ったまま上層階へと飛び立っていった。
来年もどうかこの物語の続きをよろしくお願いします。
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