黒い大洋に沈む幻の大陸「ランディア」の海底迷宮(5)
更新いたしました。
(バイフー(白虎)さんは、体中に人間はいなかったと思いましたが他の皆さんもやはり体内で人間から知識を得ているんですか?)
アキラは頭を整理させるために会話を続ける。
(そうだ私以外は皆、異邦人を体内において知識を吸収している・・、私は警護の当番だからな、次に誰か知識を取り終える者がでるまでこのままだ)
(知識を取り終えると警護の当番を交代するのですか?)
(知識の取得中の大きな負荷は、中の異邦人には更に大きな負荷となるからな、戦闘などの行為は厳禁なんだよ)
(もう一ついいですか?、中に人は年を取ったり筋肉が衰えたり病気になったりしないのですか?)
(年は取るよ残念だけどね・・しかし脳以外は仮死状態に近い新陳代謝だから多少は送らせているとは思うがね、したがって病気には殆んどかからないし、かからせない、そして筋肉もほぼ衰える事はない)
(そうですか・・、それでも二十年は長すぎます)
(君たちにとっては長すぎると思うが・・、すまないが我々の感覚だとほんの少しの時間にしか感じないのだよ、ショワンウー(玄武)も、そう言った時間間隔で拒否しているのではないかと思うのだが・・)
(貴方達は、千万単位で生きているのでしたね・・)
(個としては、もっと短いのだが・・我々は記憶の継承が出来るのだよ、君の父親に倒されたチンロン(青龍)、いや元チンロン(青龍)と言った方が良いのかな、彼も残った身体を依り代に新たな生命として生まれ変わっている最中だよ)
(記憶の継承で何千万年以上、個として存在しているのですか?・・そんな生物が居るなんて信じられませんでした)
(だから君が無理矢理、チーリン(黄麟)の力を使って何を行ってもショワンウー(玄武)を言葉で説得できない限り二十年待つ事となると思う、・・しかも、彼は頑固だからな)
アキラはバイフー(白虎)にしばらく考えた後に決断を話す。
(このままでは私だけでは判断できません、父に相談の後、再びここを訪れて良いでしょうか?)
(なんとも返事のしようがないな・・、まだ私が当番だったら何とか出来るが、新たな者が当番だったら扱いはその時の当番に一任されるし、その時は近そうなんでな)
(そうなのですか・・、でも一旦は 戻らさせてもらいます)
(すまないがそうしてもらおう、部外者にあまり長居をさせたくもないしな・・、気休めかもしれんが当番を変わる際には一応、願い出と話だけはしておこう)
アキラは一人では結論を出せない自分自身に苛立ちを覚えながらも父親という相談相手がこの世界にいることには安堵を覚えていた。
次話もどうぞよろしくお願いします。
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