滅びゆく国(6)
更新いたしました。
避難民のキャンプの夜、最も人が集まっている場所の少し外れた所で横になり見張りをチャアに任せ仮眠をとっていた、かなり深く眠っていたのだろうチャアが鞄の中から背中越しに蹴とばす合図でがばっと起き上がった。
(なんだ・・)
(国境の警備兵らしき者が不審者がいないか見回っています)
(どうする?)
(・・、多分フードを取ったら異邦人だとバレてしまうと思います、私が表に出て☬фの国に使えていた傭兵だと説明しますので、もし剣を向けられてもギリギリ迄は耐えてください)
警備兵たちは少しずつアキラに近づいてきてアキラにフードを取るよう身振りをしてみせてきた。
アキラがフードを取ると、同時にチャアが喋りだしながら鞄から飛び出してきた。
警備兵がアキラに剣を向ける、そして他の者が上官らしき者を呼んでいる様な身振りを見せた。
「どうなった」
「兵隊長の対応次第ね私やΔΦ∂♀♭を知ってる人だと良いけど・・」
しばらくして兵隊長と共に更にその上官らしき明らかに服装の違う人物が現れた。
「☬фの国のΔΦ∂♀♭と共にコーレムで闘ってきたチャアと言います」
チャアは落ち着いて話せているのかアキラにも念話が聞こえるようになってきた。
上官はチャア二言三言話しかけながら首を振った。
「先日£∇Θ£☬が闘っているのを目撃したわ、その異邦人に会わせて彼女ならわかってくれるわ」
その言葉に上官の目つきがあきらかに変わった、上官は兵隊長に何かを命令すると去っていった。
「えっ・・?」
「とりあえず、警備兵に剣を預けて下さい、多分大丈夫です」
警備兵に剣を預けると手錠の様な物をかけられ警備兵に取り囲まれながら国境の城壁の方に連行されていった。
夜空が薄明るくなる頃アキラと国境警備の一団は国境の城壁前にある施設へ到着した。
「人が長い行列になってるけどここが国境検問所かい」
アキラの左肩に乗ったチャアに話しかける。
「そうよ、あ、隊長さんが戻ってきた」
兵隊長がチャアに話しかける。
「・・良かったもうしばらくここで待ってて下さいって」
「何とかなりそうなのか?」
「ええ、隊長さんの態度が明らかに変わったから」
そして日が昇りすっかり空が明るくなった時、国境の城壁の向うから見覚えのある青銀のコーレムが舞い降りてきた。
そしてその胸部から腹部が開くと薄青いスライム?らしきものが見えてきてその中から軽量そうな甲冑を着込んだ女性が現れスライムが地面に押し出してきた。
「Cha、right?」
その女性は明らかに英語で話していた。
「Cate、久しぶり」
飛んでいき会話するチャアの念話の名前が英語で聞こえてきた。
「アメリカ人?・・、ケイトさんって言うんだ」
アキラは自分の居た世界の人間に出会う事となった。
どうか次回もよろしくお願いします。
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