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南北を分断する長壁の要塞都市「バリキシメト」(9)

更新いたしました。

  巨大な城壁の門の内側に入るとその城壁内の更に奥その先にやや小さめな内門が見えてきた。

「荷車での移動はここまでだよ、あの門の内側が要塞都市と言われてる「バリキシメト」だ」

カーメルが荷車から降りながらアキラに説明していると後ろの外側の門が閉じた後、内側の門が開く。

「城壁の内部が街になっているのですか?」

アキラは目の前に広がる地下都市のような街並みの光景に息をのむ。

「日本にも地下街は有っただろう、土木技術はここ迄の事が出来るようになった」

魔核と魔法を使っているのだろうか街は決して薄暗くなくある程度の明るさに保たれていた。

「執務室までの案内の道中に聞いておきたいのだが、いいかな?」

カーメルの問いかけにアキラは答える。

「何でしょうか?」

「君達の一族はあんな挨拶をいつもしているのかい?国防長官の訓練は何度も見たが先程の様な訓練は見た事が無かったんだが」

「・・、あれは実戦形式の立ち合いです双方の力量がかなり高くなければなりません、特に教官の立場の者の力量が師範クラスじゃなければ成立しません」

「恐ろしかったよ・・」

「親父は、並ぶ者もない達人と周りからも言われていました。・・天才ですよ」

「君も達人なのかい?」

「まさか・・、最後の斬撃・・殺されるかと思いましたよ、もう一段ギアを上げられていたら対処出来なかったと思います」

「恐ろしいね、君があのゴーレムに対処できた理由が分かったような気がするよ」

「え、あれはシャトルーズのおかげですよ」

「まあ兎に角、君の動向から目が離せなくなったね」

カーメルのアキラを見つめる目が少し厳しさを増していった。



「バリキシメト」の街は一直線の路地以外はどこか「アムス」の街並みを思い出された。

「この通路の突き当りの建物に国防長官の執務室が有る、私の個人的な興味なのだが・・出来れば執務室まで付き合いたい」

カーメルが案内する中アキラはチャアからとんでもない報告を受けていた。

(アキュラ、先程の最後の斬撃の話なんですが・・)

(何だい?)

(その時、薄っすらとですが魔法紋が開こうとしていました、何度も確かめましたが間違いがないみたいなので・・)

(シャトルーズの?)

(そう、ありえないのですが、やはり内側から無理矢理開こうとしていました)

(シャトルーズの力で?)

(はい、あの男・・父様ですか・・は、気づいていました、その為にあそこで斬撃を止めたものと思われます・・)

(それが無かったら、次の斬撃も有ったと言いたいんだね?、次の斬撃か・・、有ったら死んでたかな・・?)

(わかりません、急所を外してもらえたとしてもアキュラは大怪我をしていたかもしれません・・)



更にもう一撃が有ったのか、それはアキラの父、本人だけが知り得る事・・執務室はもう目の前だった。





どうか次回もよろしくお願いします。


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