暗黒大陸イグドラシルの地下迷宮「アンマ」(10)
更新いたしました。
「大丈夫かな・・?」
「冒険者のふりをすればきっと入場させてくれますよ」
アキラ達はシャトルーズを収納し高い城壁で囲まれた暗黒大陸西側の唯一の港街「ベニン」の検問所に向かっていた。
検問所には何人かの冒険者のグループが順番待ちの列を連ねていた。
「あれは!」
小声でチャアに話しかける。
「あれですね、鞄に入れてたはずです」
アキラは慌てて鞄から「アムズ」で使った登録プレートを探し出し首にぶら下げる。
「あった・・、良かったよ」
そしてアキラの順番になると見慣れた魔道具に五本の指を突っ込み、少し離れた位置にある六つ目の差し込みにチャアが手を差し込む、すると魔道具が光りゲートが開く。
アキラとチャアはお互い顔をむけ微笑んだ、警備の役人も何も咎める事もなく次の冒険者に目を向けていた。
「さて、宿を探すか」
アキラは「ベニン」の中心街に向かって歩んでいった。
アキラはわざと少し高級そうな警備の行き届いていそうな宿泊所を選んで受付に並んでいた。
すると隣の受付の獣人の冒険者が何やら注意を受けていた。
「いつの間に登録プレートなんて異邦人が付けている様なものを登録しなければ外に出れなくなったんだ」
「申し訳ありませんが半年ほど前に決まりまして・・、街の中に一か所と、そして検問所でも発行できますが、少し時間がかかりますので・・街での登録をお勧めいたします。こちらが地図になりますので・・」
地図を受け取ると不機嫌な顔をして仲間達と宿を出ていった。
「何日ほど滞在ですか?」
アキラは声をかけられ慌てて振り向く。
「今晩だけでお願いします」
疲弊しきているアキラはこれでやっと休息をとれるようになった。
「起きて、アキュラ、起きて」
「え・・」
「もう宿を出ないと」
すっかり明るくなった部屋を見渡しアキラは驚いた。
「凄く熟睡してたんだな・・、半日以上寝てたのか・・」
「早く出て行かないと追加料金を取られちゃうよ」
「ああ、急ごう」
宿を出ると魔核の粉を販売している店を捜した。
「ここか・・」
店に入ると沢山の魔核の粉が袋詰めされていた。
「大きい袋を二つ貰おう」
店員に話しかけると店員は二袋抱え店の奥へと歩き出した。
不思議に思いながらついて行くと、大きな扉を少し開けその前に袋を下ろし手を出して貨幣を受け取りながら。
「次のお客が来るかもしれませんので手早くお願いいたします」
そう言いながら売り場に戻って行った。
「この街では外に持ち出せない様ですね」
チャアが扉を見つめながら話す。
アキラが袋を持って中に入るとゴーレムを出せるくらいの大きな空間が広がっていた。
「まず、ラートリーに食べてもらわないとね」
そう言うとシュミーのミスリルゴーレムを呼び出す。
「久しぶり、無事「ベニン」の港街に付けたよ」
ラートリーが本体から顔を出し周りを見渡しながら。
「おはよう、早かったわね」
「次は、西の大陸着いたら呼び出すよそしたら案内よろしくね」
「シュミーの故郷は西に大陸の南の大陸側の入り口で、獣人の国側との長く連なる城壁の北側の街だからよろしくお願いします」
「チャアわかる?」
「大体は、わかるわ」
続いてシャトルーズを呼び出しアキラは手早く店を出た。
「さて、昼飯を食ったら次は長距離飛行して西の大陸だな」
良さそうな店を探してアキラは飲食店街へと向かって行った。
どうか次回もよろしくお願いします。
もしよろしければ小説家になろうでの、評価、ブックマーク・フォロー、感想などを頂けますと幸いです。




