暗黒大陸イグドラシルの地下迷宮「アンマ」(9)
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「しっかり見張っていろよ」
アイアンゴーレムから降り立っていたヤガーが皆に檄を飛ばす、目の前には自身の体毛に似た漆黒のゴーレムが横たわっていた。
「姐御、アダマンタイトゴーレムなんてしろもんが見つかるなんて・・、そうなると奴のミスリルの装備を手に入れときたかったでずぜ」
興奮しながらもあたりを注視しながらオセロトルがヤガーに話しかける。
「とはいえ中階層からソロで出てきた異邦人だ、こんな深い所で損失は避けたいさ・・」
そう言いながら今まで自身が乗っていたアイアンゴーレムを予備の腕輪とフェアリースライムで収納し終えると搭乗準備が整ったアダマンタイトゴーレムに足を運び。
「先にこいつに乗り換えていたら・・多分仕掛けていただろうな」
そう言うとヤガーはアダマンタイトゴーレムに乗り込んでいった。
「参ったな上層階を登れば登るほど魔獣だけではなく冒険者達のゴーレムが襲って来る様になるなんて」
アキラが迫ってくるアイアンゴーレム達をなるべく武器を飛ばして無力化しようとする。
「もう地上も近い様ですから万が一ゴーレムを失ってもどうにかなると思っているのでしょう」
チャアが諦めにも似た口調で返事をする。
「皆が皆、装備を置いていけ命だけは取らずにいてやる・・だもんな」
「向こうが仕掛けてきているのですから・・何をされても逆に文句はないかと・・」
「戦争をしている訳じゃないんだから、なんか後味が悪いよ・・こちらがソロだから目を付けられるんだね・・」
アイアンゴーレムの集団をシャトルーズで蹴散らすとアキラ達は更に上層階に登って行った。
「あの光、あれは地上の光じゃないか」
遠くから差し込む明らかに魔力によって発生する光ではない自然の光にアキラは安堵した。
「これまで不眠不休でしたから・・、ここから港迄は少し距離が有るかと思いますがこの子なら一っ飛びです」
出入口にもゴーレムの姿が見えたがある程度広い空間があったのでシャトルーズを加速させ一気にその間をすり抜ける。
「何だ何だ」「飛んでいるのか・・」と驚く冒険者達を尻目にさらに加速し地上に飛び出すとさらに翅を広げ大空へと羽ばたく。
「これが世界樹・・」
上昇するシャトルーズを回り込ませたアキラの眼前には巨大な山の様な幹がそびえたちその枝葉は天空を貫いていた。
「私も、初めて見ます・・」
アキラもチャアもその神秘的な巨木の姿に只々感動していた。
どうか次回もよろしくお願いします。
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