暗黒大陸イグドラシルの地下迷宮「アンマ」(7)
更新いたしました。
「凄いぞチャア」
「へへ・・」
シャトルーズの翅を小さくする事でどうにか低速での移動と静止が可能になった。
「ほとんど翅のない状態で浮かんでいるなんて・・、ミスリルゴーレムが浮いてるのを見た時以来の不自然さだよな」
「多分これで大陸間の直行での飛行が可能になったと思うわ」
「きっと何千キロも離れているんだろうな」
「?、船だと途中の島に寄って行くから一ヶ月はかかるけど、この子なら一日もかからずに着くと思う」
「ジェット機並みだな」
「?、アキュラの世界の乗り物の事?そんな乗り物があるなんて」
「このまま飛びながら次の階層に行ってみよう、シャトルーズを知った魔獣は近寄ってこないみたいだし中層階の魔獣はどうなのか確かめたい」
「多分大きな通路を使った方が早く出れると思うから・・あの通路かな?」
シャトルーズは更に中層階へと昇ってゆく。
「やはり中層階の魔物はゴーレムを食べようと襲ってくるな」
「特にスライム系ですね・・」
「オーラで弾くことが出来るけど、天井もかなり低くなったし魔獣に視界を奪われて飛びにくいし・・」
「そろそろ歩きますか?」
「・・ん、限界だね」
「私達も、昔はあんな感じだったんでしょうね・・」
「進化したんだよ、俺達も猿人から進化したらしいし・・」
「猿人?、西の大陸には元々は獣人の国が有ったんですよ・・でも今は北側が異邦人の国になってます」
「南側は?まだ獣人の国が有るの?」
「「わの国」に更に南へと追いやられているそうです」
「侵略戦争中か・・、西の大陸の向こうは何が有るんだい?」
「死の海がずっと広がっています」
「死の海?」
「遥か大昔の伝承ですが大海の中央に大陸が有り更にその中央にも世界樹が有ったそうです、そこにはエルフ族の祖先たちが暮らしており豊かな文明を築いていたそうです」
「それがなんで死の海なんて」
「神の怒りに触れたとか、大きな戦争だったとか、色々な言い伝えが残っていますが・・大陸と世界樹は沈みあらゆる生物が死に絶えた死の海となったそうです」
「そんなに昔なの?」
「はい、最低でも一千万年以上も前だと伝わっています、ですから西の大陸の山脈の向こうにはどの冒険者も引き返すと言われています」
「そろそろ、上層階かな?」
「多分・・、だとするとそろそろ冒険者に遭遇するかもしれません」
「冒険者?」
「魔核と、ゴーレムを狙った冒険者です」
「こんなところに?」
「こんなところにいるのが冒険者達ですよ」
世界樹の根の枝分かれによって上層階の探索エリアは広がっていくが更に通路は狭くなっていく、シャトルーズの足取りも更に遅くなっていった・・。
どうか次回もよろしくお願いします。
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