暗黒大陸イグドラシルの地下迷宮「アンマ」(5)
更新いたしました。
少し遅くなってしまいました‥。
「あなたに伝えてと言われた事はこれで終わり・・、後は私も静かに眠らせて・・」
ラートリーはそう言うと本体に戻ろうとした・・しかしアキラの一言で振り返る。
「わかった、「わの国」へ行こう・・彼女の故郷迄連れて行って弔ってあげたい」
「本当に行ってくれるの?」
「何故異邦人の国が出来たのか?、何故「わの国」は他の大陸に迄侵攻を始めたのか?俺自身の目で確かめてから同じ異邦人同士で戦う必要が有るのか考えてくれって事だろ?なら彼女の故郷迄行けば良い」
「ありがとう、まさかそこまでしてもらえるとは思わなかった・・」
チャアがラートリーとアキラを見つめ首を横に振りながら会話に割って入る。
「長い旅になるわよ・・、ラートリーは腕輪を外してきてアキュラに渡して。アキュラは魔獣の屍骸からまだ残っている魔核を集めて」
「わかった・・」
「魔核か・・、わかった」
それぞれが返事をすると旅の準備を始めた。
「はい、腕輪」
少し嫌そうにラートリーは腕輪を渡すと両手の手のひらを光からせ大粒の宝石の様な白い石もアキラに渡す。
「シュミーの故郷に着くまでだからね、着いたら高位の付与魔術士に解除してもらって下さいね」
「約束する」
アキラは付けた腕輪に白い石を装着しながら答えた。
「集めた魔核を渡すわ、これだけあれば貴女がシュミーを10日程は消化せずに済むと思う」
チャアがアキラが集めた魔核を渡すとラートリーはゴーレムの本体と同化し搭乗口を閉じる。
アキラは無言で深い黄色のミスリルゴーレムへ歩み、真下の地面に右手を付け魔法紋をひらき収納を始めながらゴーレムを見上げる。
「ありがとう、シュミーさん必ず約束は守ります」
そう言って深々と礼をした。
「チャア、ここを出よう」
そう言うとアキラはチャアの待つシャトルーズに向かって歩んでいった。
「何だこれは!」
アキラはシャトルーズと同化した自分に、もの凄い力が湧きだしているのを感じとっていた。
「これは・・、私ではほとんど制御できません」
チャアからも悲鳴が上がる。
「もう少し、前と同じように出来ないかな?」
「可能な限り頑張ります・・、ゆっくり剣を抜いてアキュラが良く練習している剣の型を可能な限り凄くゆっくりとやってみて下さい・・調整します」
ゆっくりとシャトルーズで小剣を抜く・・、しかし小剣の柄からきしむ音が聞こえる。
「強く握り過ぎてます、調整が終わるまではもう少し弱く握って下さい!」
「これより弱く・・?」
アキラはチャアに自分が感じたシャトルーズの真の姿をもっと詳しく話し検証しないと迷宮から脱出もままならないんじゃないかと罰ゲームの様な動きを強いられながら後悔していた・・。
どうか次回もよろしくお願いします。
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