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暗黒大陸イグドラシルの地下迷宮「アンマ」(3)

更新いたしました。

  「ラートリー!、動く・・闘える・・身体が軽い」

シュミーが喜びの声を上げる。

「実際の身体を使用している訳ではありませんよ、オーラは戻っていません、補正・・私が魔力で補正しているからです」

ラートリーが慌てて注意を促す。

「すまない、しかしこうして闘えていることが嬉しいんだ」

そう言いながら、その深い黄色のミスリルゴーレムが最初に現れた電撃を放つキメラの様な魔獣を両断する。

「損傷している飛行ユニットはもうすぐ限界となります、その際は強制的にパージしますので注意してください、・・それとオーラが消えてしまう前には不思議と力がみなぎる瞬間が有ると聞いてます・・だから」

ラートリーの言葉を遮るシュミー。

「ラートリー・・そこまでだ・・、アキュラ達ではなく多分魔獣はお前の魔核と地底湖の水が目当てのはずだ、このまま侵入してくる魔獣が増え続け事態が変わらない様だったら・・最後は湖に飛び込む・・お前だけでも生き延びてくれ・・、そしてアキュラに同じ異邦人として伝えておいてほしい事が有る・・」

「シュミー・・」

再び侵入してくる地竜型の魔獣の首をはねる。

「必ず伝えてくれ・・」

更に数匹の魔獣がそれぞれ別の通路から侵入してきた・・。



「凄い・・良くあの人と俺、闘えてたよな」

アキラが弱っていた筈のシュミーの闘いに感嘆の声を上げる。

「素晴らしい動きですね・・、ラートリーも良くサポートしています」

ミノタウロスタイプの魔獣の急所に突きを決め一旦上空に舞い上がる深い黄色のゴーレムを見つめながらアキラはゆっくりと思い出していく。

「彼女はやはり、要所要所で剣技を繰り出している・・」

「剣技?」

チャアが尋ねる。

「ああ、俺の国での剣の技だ、うちの流派に近いような感じもする」

「流派?」

「ああ、それぞれの師範が磨いてきた技の流れや型の事だよ」

「・・」

「俺も曽祖父からの教えを受け継いだ型や流れを使わせてもらってるよ」

「同じ様な型?流れ?が有るって事?」

「少しだけどね・・」

「あの、ラーバンも?」

「ああ、あれは少し特殊な型で・・、日本刀が無ければ再現が難しい技なんだよ」

「日本刀?」

「ああ、多分「わの国」では再現されているみたいだね」

新たに通路から侵入してくる魔獣達は飢えをしのぐ為にシュミーが倒した魔獣の魔核を狙って共食いの様に襲い掛かり食い散らかし始めていた。

それを湖の上空からシュミーは動きを見極め向かってきそうな大型の魔獣や跳躍や飛翔しそうな魔獣を倒し続けていった。



そして・・半日以上の刻が流れその時は訪れた・・、静かにゆっくりとその深い黄色のミスリルゴーレムは湖へと着水しそして沈んで行った・・。





どうか次回もよろしくお願いします。


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