暗黒大陸イグドラシルの地下迷宮「アンマ」
新章、更新いたしました。
「ここは・・」
「良かった、丸一日眠っていたのよ・・」
目覚めたシュミーにフェアリースライムのラートリーが話しかける。
そして、少し間をおいて少年が顔を出す。
「シュミー?さん、良かった目を覚まして」
「そうか・・お前か・・、私は私達は敗れたのだな・・」
「かなり衰弱していたんです、まだそのまま横になってて下さい」
アキラの呼びかけにシュミーには目を閉じながら答えた。
「私は捕虜となったのか・・、ここは海ではないな、しかし波の音が聞こえる・・」
そう答えるとシュミーは再び眠りについた。
「そうか・・回復薬を全て使ってくれたのか・・すまない・・、ここは一体・・」
顔を赤くするアキラに首を横に振りながら再び目を覚ましたシュミーは自分のゴーレムの足にもたれた状態で今、自分が置かれている状態を確認する。
「魔法紋によって飛ばされたここは、地下の巨大な湖のある空間の岸辺みたいなんだけど・・、チャアとも話し合っていたんだけど、信じられないけど・・、暗黒大陸の世界樹の地下にあるという迷宮「アンマ」の地底湖ではないかという話になってるの」
チャアが話を続ける。
「貴女が眠っている間にゴーレムが何体も湖から現れ上層階に登って行ったの」
「伝承の通りだと・・」
「ええ、全てのダンジョンは「アンマ」に繋がりその地底湖から生み出されるゴーレムは数ヶ月かけて散っていき活動を停止する・・、そしてその空洞の内部にある魔核はダンジョン内のスライムなどの小さな魔獣の糧となり更にそれを様々な魔獣が糧としてやがてこの世界の全ての生き物に魔核が行き渡っていく・・」
「こうして全ての生き物が魔力を使えるようになっていった・・、そして今も暗黒大陸には大型の魔物が迷宮の外にまで溢れいる・・」
二人のフェアリースライムの話す話にシュミーは頷き周りを見渡す。
その先に魔獣の姿に似たロックゴーレムが湖から現れ静かに上層階に通じているだろう通路に向かって歩んでいった。
「色んな形や素材のゴーレムが居るんだよな・・」
アキラのつぶやきにチャアが。
「ゴーレムは地下にある様々な素材と地上にいる生物の形体を写して生まれていると言われています」
「でも反対はないんだよな・・」
心配そうなアキラにシュミーが尋ねる。
「どうした?、・・そういえばお前のゴーレムが見当たらないが」
アキラは湖の方を見つめながら溜息をつく。
「君を介抱していたら、シャトルーズが勝手に動き出してチャアの本体を乗せたまま湖に沈んで行ったんだよ」
「え・・」
驚くシュミー。
「今。湖の底でじっと丸くなって座り込んでいます・・」
チャアも首をかしげながらが答えた。
湖からはシャトルーズではない別のゴーレムが水面に姿を見せるだけだった。
新章となります、どうか次回もよろしくお願いします。
もしよろしければ小説家になろうでの、評価、ブックマーク・フォロー、感想などを頂けますと幸いです。




