自由貿易港湾都市「アムス」(11)
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「数に押されるな此奴等は闘いなれている、一騎も船に近づけるな」
白銀に統一されたミスリルゴーレムを指揮する深紅のゴーレムを相手にしながら、キラは皆を鼓舞する。
「く、トロフ上手く抑え込んでくれこちらはこれで手一杯だ」
二騎で相対しているだろうアキラ達を思慮していた。
トロフ騎が割って入ったことによってシャトルーズを取り囲んでいたミスリルゴーレム達は一斉にトロフ騎に襲い掛かる。
「こいつら、舐めるなよ私とて先の内戦を生き抜いてきた騎士だ」
強い魔力をその薄い青緑のミスリルゴーレムの剣にまとい立ち向かう。
その様子を見てシュミーは叫ぶ。
「三連装砲を装備している半数は船に向かえ、私と残りでこの二騎をこの空域に留めておく、数を減らすなあくまで留めておく闘いを心掛けろ」
戦況を読みながら少しでも船を攻撃出来るよう部隊を指揮する。
「いかせない」
アキラがシュミーを振り切ろうとするがシュミーがそれをさせない。
「貴様は危険だ、もうしばらくこの場に留まってもらう」
黒船の上空のゴーレムより艦橋に左右より数騎のゴーレムが接近と連絡が上がる。
「アル、頼むわよ」
パーナがビルに乗り込むフェアリースライムのアルに声をかけるとその紅色した光り輝く鳳凰の姿をしたゴーレムが翼を広げる。
甲板に立つ「グラン」と「ビル」の周りに球形の光が広がり船全体を包み込む。
やがて旋回して近づく敵の白銀のゴーレムから三連装砲弾が撃ち込まれる、しかし爆発はするがその球形の内部にはその衝撃すらも伝わってこない。
「アル、・・いつもより広くて大変でしょうけどもう暫く頑張ってくださいね」
アルを気遣いながらグランの中でパーナは唇をかんでいた。
(船一隻の為にこれ程の部隊を・・、「アムス」の街は見せかけの表の顔でしかないという事ね)
「いい加減にしろ!」
アキラはシュミーと相対し黒船に向かった敵を追えない事にいら立っていた。
「アキュラ、船は健在ですフィルとアルが守ってくれています」
チャアがアキラを冷静になる様たしなめる。
「そうなのか?」
「はい、これ以上船に近寄せなければ守り切れます」
アキラはトロフの様子を探る、敵は連携して深追いすることなく相対しているようだった。
「右側の部隊はどうなっているかわかるかい?」
「はい、キラ様の部隊も上手く立ち回られているようです・・」
「別動隊とかの動きとかはないかい?」
「私の索敵範囲では新たなてき敵騎の姿は有りません」
「つまり、敵との根競べって事か・・」
「キラ様の部隊は僅かずつですが敵の数を減らしています、こちらがこのまま闘えれば勝算はあります」
一進一退の攻防その張り詰めた糸が切れる刻は近い・・。
どうか次回もよろしくお願いします。
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