自由貿易港湾都市「アムス」(10)
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「上空偵察二騎以外は、トロフと共に迎撃に向かへ私はビルを使って船の防衛にあたる」
艦橋でナイトガウンを羽織ったままのパーナが指揮をとる、遅れてフィルとアルのフェアリースライムが飛んでくる。
「今から船を守るから頼むわよ」
アルは眠たそうにしながら頷いていた。
「見えた!」
アキラはシャトルーズの剣を両方共に抜く。
「向こうは二つの集団に分かれるようです」
チャアが報告する。
「どちらかにヤバそうな奴がいる?」
「左側の集団に一騎います」
「黒い騎体かい?」
「違います、深い黄色をした騎体です」
「よし、左の集団と闘う」
シャトルーズは左の集団に向かう。
シュミーは自分達に単騎で向かってくる黄緑色をしたゴーレムに気味の悪さを感じていた。
「皆、単騎で向かってくる相手だ油断するな」
シュミーは速度を上げ自分自身で最初に剣を交えようと考えた。
「ラートリー、どう思う?」
確認の為、フェアリースライムに話しかける。
「あの騎体は変ですロックゴーレムに見えますが見かけとは全く別の変異種だと思われます、搭乗者は異邦人です」
「異邦人?そうか、最初から全開で行く頼むぞ」
「はい、シュミー」
薄明るくなった海上で二騎のゴーレムが剣を交えた。
「アキュラは左の部隊に向かったか、キラ、右側の部隊に向かってくれ私は左の部隊に向かう」
トロフがキラに近づき交信する。
「単騎で良いのか?」
「左側の部隊はアキュラが足止めできているようだが、右側の部隊は回り込んで船に向かっている、頼むぞ」
トロフは編隊を離れアキラの元へ急ぐ。
「なんだ、その構えは・・」
二刀を構え闘うシャトルーズにシュミーは完成された武技を見ていた、既に迂闊に飛び込んだ一騎が沈められていた。
「君は黒い騎士の隣にいた人じゃないのか?なぜ、船を襲う?」
アキラの問いかけにシュミーは答える。
「あの時の異邦人?異邦人なのに何故敵になるの?「ハサンの国」と「なぁの国」の関係にクサビを打つためよ」
「取引する事も認められないのか?」
「「なぁの国」が国力を上げるのをみすみす見逃す訳にはいかないのよ」
再び剣を交える二騎のゴーレム、そのオーラは明らかに上昇しており他のゴーレムを寄せ付けなくしていた。
「貴方は最近この世界に来たの?私達異邦人が何百年もこの世界でどんなに過酷な生活を強いられてきたか、やっと国を持つことが出来たのよ」
「だからって・・、世界を支配したいのか?」
「私達が知る世界に変革しようとしているだけよ、支配なんかじゃないわ」
「貴方達が国を亡ばしたんじゃない」
チャアが反論する。
「古い王政は終わりを迎えるのよ、自由な選挙によって民衆から選ばれた者がリーダーとなる時代に変わっていくのよ」
「俺達の世界の価値観をこの世界に持ち込もうとしているのか?」
アキラの問いかけにシュミーは答える。
「それのどこがいけないのよ」
「アキュラ、無事か?」
その時、二人の闘いにトロフが割って入ってきた。
どうか次回もよろしくお願いします。
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