自由貿易港湾都市「アムス」(9)
更新いたしました。
「今日は、大変な一日だったね」
自室に戻るとチャアが慰めてくれた・・。
「三人とも凄く買い込んだよね~、商会から本国に送くってもらうそうだけど」
「アキラ以外三人とも楽しそうだったよ」
「俺の分も買ってもらたからね・・頑張ったよ」
そう言いながら袋からポロシャツとジーンズの様なものを出してからベットに倒れこむ。
暫くしてからノックの音がするとビガンが部屋に訊ねてきた。
「お疲れのところ申し訳ない」
「どうしましたか?」
「先程、パーナ女王は船にお帰りになったのですが・・」
「ええ、またあしたと言われてましたが」
「明日、黒船がフェロの港に出航するのですが、外洋の航海となるので警備にシャトルーズを付けられないかと相談を受けまして」
「え!、護衛の方達も多数乗船されているんじゃないですか?」
「たしかに、女王の護衛ですので・・、ただこの先外洋に出ると何が起きるか分かりませんし「ハサン」との国境で不審な動きがみられるとの報告が上がってきたそうです」
「街ではそんな素振りは見られませんでしたが・・」
「王室の諜報部隊は凄いですから・・、どこかで接触していたはずですよ」
「わかりました、準備しておきます、後任は大丈夫ですか?」
「入れ替わりに入港してくる船にロックゴーレムの要員が・・何故か?乗っているそうです、で帰りは又「アムス」に立ち寄るはずですので・・ただ最初から次の街迄連れて行きたいだけの様な気もしますが・・」
「・・」
「では、よろしくお願いいたします」
港でシャトルーズで最後の積み込みの手伝いを終えると運搬ユニットを外してから収納する。
「お疲れ様、すまないなパーナ様の我儘に付き合ってもらって・・おっ早速昨日の服を着ているんだな」
トロフが下船してきてアキラに話しかける。
「いえ、・・服の持ち合わせがあまり無いものですから」
「私も同じだ、昨日は皆につられて買い込んでしまったよ」
「凄く楽しそうでしたよ」
「はは、それとアキュラ殿用の武器の入ったコンテナは直ぐに出せる様取り出しやすい場所に積み込んである外洋に出たら直ぐに装備をしておいてくれ」
「わかりました」
「では、船内に案内するよ」
そう言うとアキラと共に黒船のタラップに向かっていった。
「失礼いたします」
ブリッジに上がるとパーナ”王女”が打ち合わせをしていた。
「アキラ殿、無理を言って済まない・・皆には港を出たら紹介するそれまでは相部屋となるが自室で待機しておいてもらう」
二人が礼をして退室しようとするとパーナがもう一言声をかけた。
「似合ってますよ」
船はもう半日ほどで「ハサン」との国境あたりになり、そろそろ夜が明ける頃シャトルーズとトロフのミスリルゴーレムで船の周りを上空より警戒していた。すると突然チャアが叫んだ。
「こちらに接近するゴーレム発見・・沢山来るよ」
「くっ、情報通か」
アキラは索敵能力の高いチャアがつかんだ危険をトロフに知らせると、シャトルーズはいち早く敵に向かって飛翔させる。
「船には近づけさせない」
遠くに見える大陸の方に向かってシャトルーズは更にスピードを上げる。
どうか次回もよろしくお願いします。
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