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自由貿易港湾都市「アムス」(8)

更新いたしました。

  「旨いなこれは」

「本当、美味しい」

「しかし立って食べるのは・・」

三人の女性たちは、アキラがいつも利用している立ち食いの食堂で驚きの声を上げる。

「しかし、アキラが食べる食事が見たいと言われるので入ったが私好みの店だよ」

トロフが上機嫌で微笑む。

「入り口で食券っというものを使って支払うのも驚きました」

パーナが真顔でアキラに説明を求める。

「二か月前から始まったんですよ、この三種類の食券を買っておけば食品を扱っている店では硬貨の代わりになるんです」

「便利そうですね」

「やがてこの券が硬貨にとって代わる様な気がします」

「硬貨の代わりですか、アキラの世界でも使われていたのですか?」

「いえ、昔は使われていたのですがキャッシュレスだったので・・」

「キャッシュレス?」

「え、・・例えばその皆さんが付けさせられた個人の持っている登録プレートの様なものをかざすと全ての会計が終わる様な生活でした」

「魔法なんですか?」

「魔法などない世界でしたのであくまで道具として使うものでした」

「魔法としか思えない話ですね」

キラもそう言いながら首をかしげ不思議がっていた。

「・・突き進んだ科学文明は魔法の様に見てると言われていました」

店を出ると新しくできた遊歩道のある商店街、「モール」を案内する事となった。



「ここは凄く格好良い場所だな」

軽快な音楽が流れる遊歩道の周りをトロフが見渡しながら関心しているので。

「一階は主に食料品、雑貨が、二階は衣類や装飾品が置かれています」

そう説明していると、パーナが吸い込まれるように甘味の店に二人も吸い込まれるように入って行く。

「アキラ、これを」

パーナが指差すアイスクリームを見てアキラは三人分の食券を出す。

「好きな種類を三つお選び下さい」

店員の声に和気あいあいと三人は選び始めた。


「美味しい・・」

「これも美味しいですよ」

「先程食べたばかりなのに・・」

そう言いながら食べながら散策を進める。

「これは、この街に移り住みたい者が増えるはずですね」

「国を離れる者が増えてくる訳ですな」

「最近国への不満を持つものも増えてきたと・・」

「実際に目にすると・・、色々考えさせられますね・・」

様々な店舗を眺めながら真剣な顔を時折見せお互い頷きあう。

二階の店舗に並ぶ物はアキラにとっては懐かしい感じのする品々が、そして三人にとっては見慣れない物が豊富な衣類や装飾品を見て回る事となる。



「アキラ、どっちが可愛いと思う」

パーナの質問にアキラは踏み入れてはならない女性の禁断の聖域に訪れてしまったことを後悔する事となる。




どうか次回もよろしくお願いします。


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