自由貿易港湾都市「アムス」
新章、更新いたしました。
「大きい港街ですね、クレーンがあんなに一杯!」
アキラは隣にいるピガンに驚きの声を上げた。
「そうですね、前回訪れた時よりもクレーンの数が増えています、急ピッチで街全体が設備投資されているみたいですね」
「ええ、「なかつ国」の河川港での設備にも驚きましたが・・、規模が全然違いますね」
アキラは今、巨大な大河の河口の南側に見える港へと航行する「あな商会」の木造のコンテナ船のデッキでこれから始まる船の接岸に備えての仕事を手伝っていた。
「アキュラ殿いやこれからはアキュラと呼ばしていただく。「わの国」が納めるようになった「アムス」では首に常時登録プレートを下げてないと犯罪となります。我々新規入国者はその登録が終わるまでは船から降りられません、くれぐれも役人の指示なく船外に出ないようにお願いします」
「はい、これからは商会の港湾でのゴーレムを使った運搬作業員になるのですから、殿は以前から抵抗が有りましたので・・これからはよろしくお願いいたします」
「ええ、お持ちのゴーレムがロックゴーレムで本当に良かったですよ、それ以外のゴーレムでしたら入国出来ないところでした、なんせ武器の携帯はすべて禁止されていますからね・・。こちらこそよろしくお願いいたします」
船はゆっくりと港湾都市「アムス」の「あな商会」の港湾施設に接岸しようとしていた。
「王女、よろしかったのですか?チャア殿をお連れしなくて」
「なぁの国」の王宮の執務室に戻ったパーナに側近がたずねる。
「たしかに、チャアはフェアリースライムの中で最上位に位置します、最初は我が国に譲り渡してもらうつもりでしたが・・アキラの部屋で見たフェアリースライム達の楽しそうな姿を見ていたら「アキラ」に「メィミェイ」お姉さまの姿が被って見えてしまって」
「しかし、異邦人の支配する「アムス」に向かわせたと。万が一寝返る事が有ってはと・・」
「大丈夫よ私を信じて、アキラはチャアを悲しませるような事は決してしないから」
パーナがそう答えると少し戸惑いながらも側近は深々と礼をすると執務室を後にした。
「あの向こうに停泊しようとしている煙突のある黒い大型船は何ですか?」
アキラが遠くに見える船を見つけピガンに質問した。
「あれは、「アン商会」の黒船ですね・・火をおこし水を沸かして航行するそうです」
「本当に黒船って呼ぶんだ」
「え?、あ、入国審査の役人が来られた様です」
船の桟橋に役人らしき者達が声をかける。
「代表の者が全員分の書類を持ってくるように」
ピガンが書類を手に役人のもとに向かう。
「今日は五名か?、うん?ゴーレム使いも居るのか、そのものも下船せよ」
アキラが下船するとゴーレムを出す様に言われシャトルーズを出す。
「うむ、色は黄緑・・ロックゴーレムに間違いないな運搬ユニットも装備してある・・、女性タイプのフェアリースライム・・」
書類をチェックすると今度は乗り込んで操作するよう促す。
(練習しておいてよかったな・・)
シャトルーズの足元にあるL字の爪の手元にある取っ手を掴み引き上げそして腕を左右に伸ばすと胸の高さまで爪が上昇する・・何度か繰り返すと役人の許可が下りた。
そう・・背中から肩にウエイトを装備されたをシャトルーズに待っている次の仕事は港でよく見る大型のフォークリフトの様な仕事が与えられる事となっていた。
アキラ達は登録プレートが出来上がるまでもう一晩船の中で過ごす事となった。
どうか新章もよろしくお願いします。
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