死の商人に魅入られし国(13)
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「どうやらこれで一段落したようですね・・、失礼して夜勤に戻どります」
部下に指示を出して終えた様子のパーナ王女にアキラは声をかける。
するとパーナが申し訳なさそうな顔をしながら振り向いた。
「ごめんなさい、ゴーレムで王都の上空を飛行するとこの国でも処罰の対象になるのよ、緊急事態だからって私は王に詫びるつもりだけど・・貴方の身分では刑に処せられる可能性がないとは断言でき無さそうなの」
「そうですね、派手に飛行してしまいましたから・・」
「それで、貴方はいなかった事にしようと思うのよ、暫く王都を「なかつ国」を離れてくれないかしら?」
「・・しかたなさそうですね」
アキラは溜息をつく。
「それでね、実は「エィミ国」の港湾都市を「わの国」が自由貿易都市にと開発を推し進めている・・そこに今まであった「あな商会」の店を改装して「ぜら・あな」商会の店として出店しようとしてて・・」
「そこに行けと・・」
「ええ・・、それが一番良いと思うの此方が一段落したらピガンを向かわせる事となってたから王都の西側にある河川港で合流する様手配するわ」
パーナは本当に申し訳なさそうに頭を下げる。
「チャアの居た国に行くのか・・」
肩のチャアに目を合わせるとチャアが悲しそうに答えた。
「今は異邦人の国になってるけどね・・」
西の大陸にある「わの国」、そこにある今は大統領府と呼ばれているその執務室に一人の男が入室する。
「入ります」
「ご苦労だった、これで重要な貿易拠点、軍事拠点を手に入れることが出来た」
「ありがとうございます、少し遅くなってしまいましたが大統領就任おめでとうございます」
「ああ、長かったな・・この獣人達の大陸で魔力も無く腕力も弱く虐げられていた我らがゴーレムを得る事でついにここまでやってきた」
「東の大陸への進行はもう・・」
「ああ、これからは貿易だ、新しい都市では紙幣を流通させる、そして豊かになった国民が東の大陸の国々の古き王制を自らの手で滅ぼしてくれるよ」
「念話によるラジオ通信網も整備する様致しております」
「王政もやがて終わる、新たな時代の幕開けになろう」
「貨幣でこの世界も支配できると」
「うむ、「アン商会」のカーメルにも活躍してもらわねばならんな、これからもよろしく頼むぞ将軍、いやこれからはフジワラ国防長官だ」
「新たな任務、ありがとうございます。では一旦失礼させて頂きます」
「うむ、後は秘書官と打ち合わせてくれ」
そして男は執務室を後にした。
「死の商人に魅入られし国」の章はここまでとなります、どうか次章もよろしくお願いします。
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