死の商人に魅入られし国(11)
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空が少し夕焼けに差し掛かってきた時にベル副組合長の店に到着した為に、閉店の時間がそろそろ迫っている為か門番を警護している者が声をかけてきた。
「閉店を知らせる鐘がまもなく鳴る頃なんで・・、お急ぎの買い物でしたらお早くお願いいたします」
「手早く済ませますので、入らさせてもらいますね」
パーナは門をくぐり中庭の店の者に声をかけた。
「閉店間際に申し訳ありません、ベル様はご在宅と聞いております・・さほどお手間は取らせませんので、「なぁの国」のパーナと申しますここでお待ちしておりますのでよろしくお取次ぎをお願いいたします」
店員は不思議そうな顔をしながら「店主を呼んでまいります、しばらくお待ちください」と一礼をすると店の奥へと引っ込んでいった。
店の鐘が鳴り始めると。
「これは、パーナ王女様」
小走りに中庭へベルが表れた。
「こんな場所ではなんですから、応接室にご案内いたします」
「いえ、今後の方針を伝えに来ただけ出すから・・ここで結構です」
パーナの物言いにベルは付き従うアキラを見てさらに一礼する。
「昨晩は当商店で雇ったばかりの者がご迷惑をおかけして・・」
「なかつ国での罰則は既に出て一年間の王都への出入り禁止になって既に追放されたそうですが」
「はい、当商店でも既に罰金をお納めしております」
「鉄の旅団という傭兵集団をご存じかと思いますが」
その言葉にベルは見る間に顔を青くした。
「彼はその構成員の一人だったと調べはついています、更に逆怨みを装って王都の郊外で合流して今晩「ぜら・あな」商会を襲う段取りになっているそうで」
「そのような・・恐ろしい者とは・・」
「我が国の諜報機関を舐めてもらっては困ります、少なくとも貴方方の商会は今後「なぁの国」では一切の商いを禁じます。又追って「なかつ国」での罰則も決まりましょう」
明らかに目つきの変わったベルが合図を送ると既に客の居ない店の門が閉ざされた。
「このまま、無事に帰れるとは思ってないだろうな」
アキラが剣を抜くと、一呼吸おきパーナは軽く微笑みをむけ左手を地面に着いた。
「アル頼みます」
そう叫ぶと地面の魔法紋より鳥型のいや紅色した光り輝く鳳凰の姿をしたゴーレムが出現した。
そのゴーレムにアルが吸い込まれるとさらに輝き翼を広げる。
「これでアルが守ってくれます、私達もゴーレムに乗り込みましょう」
「フェニックス、鳳凰・・?これが飛行ユニットなんですか?」
「そうよ、このままゴーレムで郊外の傭兵達のゴーレムも倒してしまいましょう」
そう言いながら今度は右手を地面に付き魔法紋より黄金色に輝くゴーレムを呼び出す。
アキラが周りを見渡すと誰一人近寄る事が出来なくなっているようだ、アキラもシャトルーズを呼び出すと念話でパーナが驚いた声でアキラに話しかける。
「あら、貴方のゴーレムも美しい光を放つのね」
そう言いながら鳳凰と一体化した黄金色のゴーレムは頭の上に鳳凰の顔が兜の様にのりその足で胴体にしっかり固定しその翼と尻尾は緋緋色に大きく広がっていた。
「綺麗だ」
思わずアキラも声に出していた。
どうか次回もよろしくお願いします。
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