天に星 地に花 人に愛を(12)
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牛と虎の特徴を合わせ持つゴーレムに寄生するグングラル(窮奇)の、鎚矛を回転させ烈風を引き起こし強烈なかまいたちをまとう戦法に、ビコウ、シャオ、チョゴ、の三人は八方塞がりの状態で追い詰められていた。
「駄目だ、背後から突こうとしても跳ね返される」
ビコウは細く長い金棍棒を槍の様に扱っていた。
「近寄れん、俺達のゴーレムが削り取られる一方だ」
シャオも半月刃の付いた杖のような形状の武具を槍の様に扱っていた。
「俺の武具で風をかまいたちをもう少し上手く掻き分けられたら、好機が生まれると思うんだが・・」
チョゴは九歯の熊手の様な武具でこの強烈なかまいたちを無効化するには己の技量では力不足である事に悔しさをにじませていた。
(中層階に集合せよ!くり返す、中層階に集合せよ!)
警護当番のバイフー(白虎)より念話による指令が発せられ共有されていた。
(タオウー(檮杌)、タウテット(饕餮)、そしてクエイ(夔)迄もが倒されただと!)
グングラル(窮奇)も、相次いで同族の知識の共有が途切れていく事に焦りを感じていた。
(この場での滞在は確かに無意味、早くけりを付け一旦、海底迷宮の上層階から中層階に引き下がるべきだな)
グングラル(窮奇)は、無難な長期戦の戦術を短期戦へと切り替える道を選択していた。
「これならば、師匠に教わった技が生きる!」
チョゴは、敵の戦術が変わり烈風を纏ったグングラル(窮奇)の鎚矛の打撃による攻撃で隣のシャオを攻撃した際、その持ち替える一瞬の隙をついてアイから伝授された技で鎚矛を打ち捨させた。
「でかした!」
その瞬間、ビコウが続けて細く長い金棍棒を背後からグングラル(窮奇)を突き刺した。
鎚矛を失い致命傷を負ったグングラル(窮奇)は、その身を武器に変えるべく膨大な魔力を放出し、ビコウ、シャオ、チョゴの三騎のゴーレムを自身がおこした球状の結界の空間内に閉じ込め、その空間内の空気を全て風で押し出し結界外へと、その気圧差により放出し続ける。
(先程の技、知識も共有されていたのにな・・、知識だけの我には無意味な闘いとなったか。・・共に窒息しようぞ)
アキラのシャトルーズが、その戦闘空域にたどり着くと、その異常な結界をシャトルーズの強力なオーラ力でどうにか吹き飛ばしたが・・。
結界内の四体のゴーレムは全て二度と動く事はなかった。
最終章十二話目となります、どうか最後迄よろしくお願い致します。
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