天に星 地に花 人に愛を(8)
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アキラ達が満身創痍で立ち続けるアダマンタイトゴーレムのラーバンと合流すると、その黒いゴーレムは静かに倒れこむ。それを慌ててシャトルーズで支えるとラーバンはアキラに話しかける。
「すまんがこの状態だ。アダマンタイトの魔力による自己修復にはしばらく時間がかかる。動けるようになったら後を追う、かまわず前進してくれ」
そう言うとラーバンはゴーレムに膝をつかせる。
「わかりました。強敵の二体の撃破有り難うございました、前進します」
そう言うと一礼してアキラは更に少数になってしまった部隊を前進させていった。
タウテット(饕餮)は自室を出て、多種多様な魔獣達が暮らす上層階に到着していた。
(なんだ私だけか?ピーファン(畢方)、ホァントウ(驩兜)、コンコン(龔工)、サンミャオ(三苗)、クェン(鯀)、そしてホウ(犼)までもが敗れたというのに静観するのか?なかなか生きのよい美味しそうな獲物の様だが)
そう呟いていると、他の通路からタオウー(檮杌)が飛び込んで来た。
(なんだ、お前だけか)
(他は静観の様子だ。せかっくの獲物なのに)
(お前は欲深いから他の者の様にチーリン(黄麟)を慎重に観察などせずにその身に取り込もうとしているのだろう?)
(ならば戦闘狂のお前は、チーリン(黄麟)と一戦交える事にその欲望を抱いているのだろう)
(互いに欲深い事だな、早い者勝ちだぞ)
そう答えると、間もなく訪れる侵入者の到着を待ちきれないタオウー(檮杌)は巨大な牙に恐ろしいほどの魔力を集中させていた。
「アキュラ、この先の広い空間に二体の強力なゴーレムが戦闘態勢で待ち構えています」
チャアの報告にアキラは覚悟を決め皆に告げる。
「この先の空間のゴーレム二体を突破する。一体はシャトルーズが、もう一体はトロフ、ケイトで対応してくれ。そして他の者は散開して別のゴーレムの介入を警戒し、場合によっては対峙してくれ」
「了解!」
そう言うとアキラはシャトルーズの速度とオーラを高め、空間内にいて魔力を高めているタオウー(檮杌)に向かって両方の小剣を抜き突進していった。
(チーリン(黄麟)!)
タオウー(檮杌)が喜びの声を上げる。
「くっ!」
アキラはコンコン(龔工)の時の様に一気に決めようとしたがタオウー(檮杌)はオーラのこもった剣をその牙で巧みにはじき返す。
(上手くチーリン(黄麟)を弱らせてくれよ。そしてその前にまずはお前達を食らわせてもらおう)
タウテット(饕餮)は、目の前に迫る薄い青緑のミスリルゴーレムと青いミスリルゴーレムの獲物を認識するとその両手に持つ二本の巨大な肉切り包丁を構え不敵に笑っていた。
最終章八話目となります、どうか最後迄よろしくお願い致します。
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