天に星 地に花 人に愛を(5)
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「後方で噴火が始まっている。急ぐぞ!」
アキラはチャアの報告を受けると狭い迷宮内で飛行速度を上げる。
「晃、皆で先に進みなさい。アル、ここで防御壁をはるよ」
アイの言葉にアルが反応する。
「ビル、最大出力で防御壁展開!」
ビルは最後尾で停止すると防御壁を展開した。その直後、火山の強烈な爆風がビルを襲う。
「母さん!」
アキラの叫びに、アイは活を入れる。
「前を向け!私達が持ちこたえている内に奥へ!必ず後で追いつく!」
「くっ!」
アキラは歯を食いしばると、皆を迷宮内へと導いていった。
ホウ(犼)は、ピーファン(畢方)との知識の共有が途切れた事に驚きと怒りを感じていた。
(コンコン(龔工)、チーリン(黄麟)とチューチュエ(朱雀)らが我がランディアの迷宮へと侵入した。お前の位置が最も侵入経路に近い、我がその場に到着するまでピーファン(畢方)の様に油断せずに時間を稼いでおいてくれ)
ホウ(犼)は、コンコン(龔工)に情報を伝達すると合流地点へと向かって行く。
(油断なくと言われてもチーリン(黄麟)とチューチュエ(朱雀)が相手では分が悪い。ホァントウ(驩兜)、サンミャオ(三苗)、クェン(鯀)も呼ぶか)
コンコン(龔工)は迷宮の修復作業を行っている他の仲間達にも情報を共有していった。
「この先にゴーレムが!スライム族を四体確認」
チャアの報告にアキラたち全員への緊張が走る。
「このまま進み対峙するか?」
アキラの問いかけにチャアは答える。
「他に抜け道は有りません。その様な場所を選んでいるものと推測できます」
「だよな、このまま進もう」
「あ、より大きな反応が更に後方から迫ってきています」
「どの位かかりそうだ」
「一刻もすれば着きそうです」
「合流させたくないな」
アキラ達の会話にラーバンが割って入る。
「敵の位置取りはわかった。私が対峙している隙をついてさらに先行し対処しよう。リスクは分散した方が良い、任せてくれ」
ラーバンの提案にアキラが答える。
「任せます。お願いします」
一同が待ち構える空間に飛び込んだ瞬間、いきなりおびただしい水流に飲み込まれ視界が失われる。
「そう来たか!、何処から敵が襲って来る判別できない。皆、同士討ちを避けて対処してくれ」
アキラは暗闇の水流の中、シャトルーズをオーラを高め放つ光で迷宮内の光度を高めようと努め囮となる道を選ぶ。
しかし、敵はあえてシャトルーズを狙う事はせず他の隙を見せたゴーレムに襲い掛かっていき、ポイン、ホーゾン、チューンの三体のゴーレムが標的となり慣れぬ水中戦で苦戦しいられていた。
「このままでは・・、皆で支援を!」
アイの不在の中、想定外の水中戦にアキラは己を見失っていた。
最終章五話目となります、どうか最後迄よろしくお願い致します。
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