天に星 地に花 人に愛を(4)
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「駄目!避けきれない!」
意思を持った無数の青い炎の矢がエマの白銀のミスリルゴーレムに襲い掛かる。
初めのうちははエマは巧みに青い炎の矢を躱していたが、ピーファン(畢方)の意思の宿っているその矢は何度でも襲い掛かってくる。
「ああ!」
遂に避けきれず被弾を覚悟したその時。
「待たせたな」
ドル特製の防衛に特化した大型のアダマンタイトの魔導盾を前に押し出してたヘンリーのミスリルゴーレムが矢のその前に割り込み跳ね返す。
「ヘンリー!」
更にノアが日本の槍型を模したドル特製のアダマンタイト製のランスで青い炎の矢を打ち抜いていく。
「ノア!」
「お待たせ!」
ノアは尋常じゃない速度でランスを振るい迫りくる青い炎の矢を次々と撃墜していく。
ピーファン(畢方)は三体となった敵のゴーレムの熟達度に、改めてこの場で倒すべき存在であるという認識で対処していた。
(フジワラの武技か・・)
盾となっているヘンリーに向かって青色の焔を纏ったまま高速での一撃離脱へとピーファン(畢方)は戦術を変え、その大盾を焼き切ろうと試みる。
「く、このままでは盾が保たない」
全ての青い炎の矢を撃破したノアも焦っていた。
「ランスの先が潰れかかってしまっている」
アダマンタイトのランスといえども既に致命的な損傷を受けていた。
「三位一体を実践し対処しましょう」
エマが二人に檄を飛ばすと三体のミスリルゴーレムはヘンリー、エマ、ノアの順に縦に並びピーファン(畢方)の一撃離脱戦法に狙いを定め構えを取る。
ピーファン(畢方)がヘンリーの大盾に止めを刺した次の瞬間、離脱方向を正確に読み取ったエマが剣を振り下ろす。
しかし、既に後方の位置どりとなっていたヘンリーのミスリルゴーレムの頭を蹴り上げて方向を変えて剣をピーファン(畢方)は避ける。
さらに、その動きまでも読み切ったノアのゴーレムがエマの後方からランスをピーファン(畢方)の胴体を正確に勢い良く突き刺す。
「やりぃ!」
(おのれ・・)
そのランスの先端はピーファン(畢方)の中に寄生しているスライム本体にまで突き刺さっていた。
ピーファン(畢方)はランスが突き刺さった状態のままノアのゴーレムに抱き着くと最後の力を振り絞り後方に見える火口へと高速で飛翔し共にその中に吸い込まれていった。
「ノア!」
ヘンリー、エマはその一瞬の出来事に一瞬、頭が真っ白になり現状への理解が追い付かなくなっていた。
そして、やや間があった後、火口は噴煙をあげ巨大な噴火による大量の溶岩をまき散らしていた。
最終章四話目となります、どうか最後迄よろしくお願い致します。
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