天に星 地に花 人に愛を(3)
更新いたしました。
(これは途中の火山島で小休止を取っている訳ではないな、あの火山島に進入口がある様じゃ。地下迷宮に入ってしまってからでは、この魔道具ではもう追えんぞ)
バイゼー(白澤)の共有情報が入ると、ランディアの海底迷宮の上空で待ち構えていた、ホウ(犼)とピーファン(畢方)は怒りをあらわにした。
(進入口はここじゃないのか!)
(無駄足・・)
(後を追うか?)
(俺が追う・・、俺の速さなら間に合う・・)
そう言うやピーファン(畢方)は北の火山島に向かって炎を纏い疾風のごとく飛翔していった。
巨大な火山の火口へ皆が吸い込まれていった直後、火山島上空で警戒監視をしていたエマは南方から迫りくる火炎を纏った飛翔体を察知していた。
「あれは、鳥類型のゴーレムです」
エマのフェアリースライム、ハニーが即座に冷静に分析する。
「ヘンリーとノアに連絡を」
「連絡済みです。物凄い速度で急速接近、敵もこちらを既に認識しています」
ドルより託されたアダマンタイトの盾と剣を構えエマの駆る白銀のミスリルゴーレムが臨戦態勢で待ち構える。
(1体・・、見張りか・・)
ピーファン(畢方)は、エマのミスリルゴーレムを認識はしているが、シャトルーズやビルを追撃する為の障害物程度の認識でしかなかった。
エマとすれ違う際の刹那の瞬間にピーファン(畢方)は白い炎の矢をミスリルゴーレムを打ち込む。
しかし、エマのミスリルゴーレムは紙一重でその矢を躱しピーファン(畢方)を追う。
(・・・?)
ピーファン(畢方)は無論、「藤原武尊」の武術の知識を共有している。必殺の間合いで矢を放っていた、躱すなどあり得ないはずだった。
「躱したはずなのに、飛行ユニットが少し焼かれてた。なんて熱量なの」
問題なく躱せた様に感じていたのに損傷を追ってしまった事にエマは驚いていた。
「これが神々のゴーレム!」
ピーファン(畢方)はこの白銀のミスリルゴーレムを敵だと認識を改めると、急旋回をして再びエマのゴーレムに対峙する。
今度はエマのゴーレムに対して「先の先」、相手に動きを先読みして火炎の矢を複数放った。
「これは!」
アイとの立ち合いで学んだ経験がエマを救った。通常では有りえない動きを白銀のミスリルゴーレムは見せ再び紙一重で躱す。
(間に合わん・・)
ピーファン(畢方)は、目の前のゴーレムの為にチーリン(黄麟)とチューチュエ(朱雀)を追撃する機会が失われてしまった事に怒りを感じていた。
(・・・!)
ピーファン(畢方)は空中で静止し纏っていた火炎が朱色から黄色に更に白色、最後は青色へと変化していき、その青色の身体全体から意思を持った無数の青い炎の矢がエマのミスリルゴーレムに向かって放たれていった。
最終章三話目となります、どうか最後迄よろしくお願い致します。
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