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雨過天晴(うかてんせい)〔7〕

更新いたしました。

 西の大陸、瓦礫に覆われた、わの国の首都「WA」、その中の大統領官邸が有った場所に複数の男女達が集まっていた。

「ようやくこの地での魔道具捜索が可能となった。必ず捜し出すのだ、俺達「グラス」の存在意義を取り戻す為に」

生き残ったグラスの残党達をその頭領ヌムールが蛹人の脅威が去ったこの地に集結させ、その目的を果たそうとしていた。



東の大陸、アキラ達異邦人が居た世界ではウラル山脈と呼ばれていた山脈より西側にある魔獣の一大生息地が選抜部隊の修練の場所となっていた。

「狩りはついでだ!私との立ち合いで得た課題を魔獣相手に実践して、次の立合いまでに己を磨いておいてくれよ」。

ビルに乗り込むアイがこの遠征の趣旨を皆の前でもう一度述べ、まずアキラのシャトルーズとの手合いを始める。

「いくぞ晃!」

アイはそう叫ぶと同時に二刀の剣を双刀の薙刀状に繋いでシャトルーズに襲い掛かる。そのビルの挙動をアキラはシャトルーズの両手に持つ小剣で冷静にいなす。

「腕が上がって来たな、ではもう一段ギアを上げるよ」

アイは嬉しそうにそう叫ぶと、明らかに人の目では追えないような高速で不規則な薙刀軌道に変化させていく。

その立会い様子を様子を選抜部隊に選ばれた一同は誰一人狩りに向かわず固唾をのんで見守っていた。



「初めてお目にかかります。私はエクスペル大統領の側近でグラスという諜報部隊を指揮しておりましたジャック・ヌムールと申します」

大統領室の隣の私室でエクスペルが使用していた魔道具を見つけ出すとヌムールはその魔道具に迷うことなく話しかけていた。

(ほう、貴様はこの魔道具の事を知っているのか・・)

しばらくして、魔道具から聞こえてきた声にヌムールは喜び声を弾ませながら答える。

「おお神よ・・。はい、私の諜報活動は大統領にも及んでいましたので」

(なるほど、抜け目のない者よ。で、お前は何を求めているのか?)

「私にもエクスペル同様の叡智を授かりたいと願っております」

(叡智をと・・。で、お前は私に何を返せると?)

「はい、神に逆らおうとする不届き者の情報を」

(ほう・・)

「東の大陸の者どもと西の大陸の獣人族、両大陸全ての者の中から選抜した者達で神の地を目指すべくゴーレムでの戦いの準備を行っております。その情報をこれから逐一上げたいと思っております」

(ほう・・そうか。チーリン(黄麟)とチューチュエ(朱雀)がこの地に戻ってくるというのだな)

「え?チーリン?チューチュエ?」

(ご苦労、褒美を送ろう。良い情報だった・・)

その言葉と共に連絡はとだえ、暫くすると近くにある神殿の瓦礫の方から光が輝いてきた。

ヌムール達グラスは喜びの声を上げその様子を見守っていた・・が、その光が収まって表れた物体は蛹人を更に巨大化した様な異質の姿をした数体のおぞましき化け物達だった。


・・数刻後、わの国の首都WAは数が半減した化け物達と瓦礫のみが残されている状態となっていた。




新章七話目となります、どうか本章もよろしくお願い致します。


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