雨過天晴(うかてんせい)〔6〕
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要塞都市バリキシメト。そこでアキラとアイは獣人の国よりの選抜されたゴーレム騎士達を待つ間に、わの国で既に選抜され集められた騎士の中でアイによってふるいに掛けられ残された、アレン、ジル、ヘンリー、ノア、エマが共に修練に励んでいた。
「地獄だ・・」
「・・地獄ね」
「ジルさんもっと粘ってくれ・・駄目か・・。行ってくるか・・」
ヘンリー達三人はアイによって吹き飛ばされていったアレンとジルを横目に見ながら息一つ上がっていないアイの元へと向かって行った。
アキラは別の場所で、ラーバンを相手に構えからお互いの剣術を未来視していく高度な立ち合いを実践していた。
「更に出来る様になったな・・」
ラーバンの言葉にアキラは答える。
「まだまだです。とても片足にハンディを持っているとは思えない剣裁きです」
「ゴーレムを操っていれば昔と同じに動ける。その前提での剣技にも付き合ってもらおうか」
不敵に笑うラーバンにアキラは緊張と共に心躍る思いを感じていた。
数日後、純白に小さな黒い斑点のあるゴーレムと共に紅黄色、深緑色、暗灰色の三騎のゴーレムがバリキシメトに到着した。
「ありがとうございます」
雪豹の顔を持つトルバリアが向かい入れ挨拶をするアキラに一礼し、緊張した面持ちでアキラ達出迎えたフォーを含めた異邦人をいちべつすると静かに口を開いた。
「少人数の選抜となって済まない。右からビコウ、シャオ、チョゴ、そして私、トルバリアの四名だ」
「飛行艇を手配しますので合同での修練は一旦、東の大陸で行って頂くことになります」
アキラの説明に頷きながらトルバリアは更に言葉を発した。
「実は我々は部隊を離反した扱いになっている。その事も付け加えさせてもらおう」
「離反?」
「国としては、敵対していた国々には協力できないとの結論になった。国王とカバック将軍の苦肉の末の代替え案だ」
「つまり正式な共闘は出来ないので、皆さんは部隊を離反した事になっているという事ですか・・」
「そうだ、我々は国を捨てる覚悟でここに馳せ参じたが・・その事でこの少人数になってしまった。申し訳なく思う」
再びアキラは四人に頭を下げ感謝の言葉を伝える。
「済まない。その覚悟、本当にありがたく思う」
そのアキラの言葉と同時に出迎えたフォーを含めた異邦人達は一斉に頭を下げ謝意を示した。
その翌日、日が暮れる同時刻にアキラ達選抜メンバーは到着したゼラ・アナ号に乗り込み東の大陸へと向かって行った。
新章六話目となります、どうか本章もよろしくお願い致します。
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