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天怒人怨(てんどじんえん)〔3〕

更新いたしました。

 「よかったら、わの国の被害状況を教えてくれないかな」

アキラは、飛行ユニットが大破したために高速移動が出来なくなったノアのゴーレムに合わせてゆっくり飛び、周りを警戒しながらも質問した。

「・・酷いものだそうです。私はまだこの大陸を離れていないのですが、バリキシメトから来た部隊の者から現状を報告されました」

ノアの言葉にアキラが続ける。

「東の大陸も酷い有様で、気象変動で今年は冷夏となっている」

「そうなんですか?どうやら被害が少ないのはこのアンマの周辺の暗黒大陸と標高の高いバリキシメトの周りと、その南の大河を挟んで更に南の獣人達が居住している高原だけの様です」

「WAの周りは?」

「はぼ、壊滅状態だそうです。海岸線もそうですが、南の海に面した大河の上流に水が逆流して広範囲にわたって被害が拡大したそうです」

「高低差がない河が逆流して、こちらの大陸も至る所で被害が出ている」

「貴方方も目的は同じだと思いますが、その為に魔石と魔獣の肉を求めてアンマに部隊が派遣されたのです。軍事的な目的などではないですよ」

「こちらも同じ、魔石の確保の為だよ」

暫く飛行しているとアルが反応を示す。

「この向こうやや南寄りの西にゴーレムの集団を見つけたよ」

「え、どこ?」

チャアが驚きながら問いただす。

「この向こう、真っ直ぐ」

アルをアイが褒める。

「凄い、流石ねアル」

「へへ」

その様子にノアが驚きながら呟く。

「凄いフェアリースライムだ。まだ部隊まではかなり距離があるはずなのに・・」

地上に居るゴーレム部隊を目視できるような距離に近づいたところでアキラ達は無用な軋轢を生まない為にノアと別れ合流を確認した後、アンマの地底湖へと向かって行った。



「ノア、心配したぞ」

ヘンリーが辺りを警戒しながらゴーレムで飛び上がってくる。

「駄目よここで飛び上がってわ」

エマが慌てて注意を促す。

二人が地上に降下するとノアが二人に直ぐに謝る。

「すまない。飛行ユニットを過信しすぎた。本当に済まなかった」

「遠くの高空で貴方がグリフォンの集団に襲われたのを見た時は恐ろしさで一瞬だけど固まってしまったわ」

エマが少し怒ったような口調でノアを責めた。

「東の大陸の黄緑色のゴーレムと紅色のゴーレムに助けられたんだ」

少し興奮したような口調でノアが二人に話しかける。

「なに!」

「え、・・あの?」

「そうだよ、聖戦士達だよ。俺達が国境警備隊で完膚なきまでにやられたあのゴーレムにだよ、この近くまで送ってもらったんだぜ」

「それ、全然自慢になってないわよ」

自慢げに語るノアにエマがきつい一言を言い放つ。


思わず口をつぐんだノアはもう一度二人に詫びる。

「・・反省してるよ、すまなかった」

その会話の一言でヘンリーとエマは笑いだし、反省しきりのノアと共に部隊へと戻っていった。





新章三話目となります、どうか本章もよろしくお願い致します。


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