開天闢地(カイテンヘキチ)〔6〕
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今にも三つ首のゴーレムの十倍以上の金色のワイバーンの一つの首がケイトのブルーズに向けて大口を開け魔力を集約しブレスを吐こうとしていたが、シャトルーズがら発せられていた尋常ではないオーラに他の首達が意識を向けている事に気づき、シャトルーズへとその向きを変えながら光線の様なブレスを吐きだしていた。
青白い光線の様なブレスが薙ぎ払う様に足元から胴体へとシャトルーズに襲い掛かってくるが尋常ではないオーラによって全て弾かれ、さらに迫ってくるシャトルーズに今度は二つ首が同時にブレスを吐く。しかし二刀の剣をを抜いたシャトルーズによりブレスは縦にさばかれ四散していった。
「ケイトさん、身を隠してください!」
アキラはケイトに向かって叫びながら金色のワイバーンに対峙する。
思った以上の強敵の出現に、金色のワイバーンは怒りの咆哮を放ちながらその巨体を生かした肉弾戦を挑むべく猛禽類の様な鋭い足首の先にある爪を広げシャトルーズを掴み取ろおとする・・が、その爪はシャトルーズの見事な剣捌きによって切り取られていった。
この三つ首の金色のワイバーンにとって初めての恐怖を感じる体験に一気に後退しシャトルーズとの間に距離をとり三つ首その全てが最大級の魔力をこめ同時にブレスを吐く。
その凄まじい光が収束して視界が広がった其処には、全く損傷していないシャトルーズの姿があった。
「フギャー」「フギャー」「フギャー」
三体が同時に泣き叫ぶような咆哮を放つが逃げようとはしていなかった。その様子にアキラは最悪の事態を想像する。
「チャア、他にこの領域に接近するものは無いか?」
暫くした後、チャアは答える。
「急速接近する物体が有ります。三体で、その内の一体は目の前の魔獣の三倍ほどの大きさと推定されます」
「そうか・・、群れで行動していたんだな・・」
「どうしますか?シャトルーズだけなら逃げ切れると思いますが・・」
「駄目だ、その考えはない。覚悟を決めよう」
「・・はい」
そのわずかな時間の間にシャトルーズはゆっくりと回り込んでケイトのブルーズが闘いに巻き込まれない様な位置取りを実行していた。
二体の金色のワイバーンを引き連れて更に巨大な白色金のワイバーンがこの空域に姿を現した。すると、先程の金色のワイバーンは素早くその後ろに身を隠す。
「これほど巨大な魔獣が存在するなんて・・」
チャアが息をのんで思わず呟く。
「映画だよ・・これは」
アキラも驚いたように呟く。
しかし、巨大な白色金のワイバーンはシャトルーズをゆっくりと見つめ続け、それぞれの首ごとに少し頷くと更にその三つの首を同時に横に振りながら三体の金色のワイバーンを引き連れてこの空域を離脱していった。
新章六話目となります、どうか本章もよろしくお願い致します。
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