死の商人に魅入られし国(5)
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新年あけましておめでとうございます。
どうか・・本年もよろしくお願いいたします。
王都の上空に様々な色をした五十騎程のミスリルゴーレムが編隊を組んで現れていた。
王宮から飛び立った白銀のゴーレムの小隊がその前に立ちはだかる。
すると黄金のコーレムと二騎のゴーレムが小隊に合流し他の編隊を組んでいたゴーレムは王都の城壁の外の広場へ着陸していった。
「お目通りを願いたい」
凛とした顔をした少女が二人の部下を従えて「なかつ国」の王の執務室の前で声を上げた。
「入ってくれ」
部屋の中から声がかかると、ドアが開き少女が部屋へと入っていく。
「失礼する」
「随分、強引な入城だったな」
正面の楕円形の机で作業中の男が答えた。
「ポンドオン王、火急の要件にて失礼する」
「我が国からの要請の件だろう、エルフ創始国「なぁの国」パーナ王女」
「あのような一方的な要請、我が国がすんなり応じると思ったか!」
「我が国も新たな国家間の時代に中立を守り我が国の主たる産業となる工房を守るには、もう他国からの直接の工房への発注は終わりにしなければならない、今でも直接発注しているのは君の「なぁの国」だけなのだよ」
「我々王族との取引をやめ商人だけと取引を行うと」
「これによって我が国の中立は守られる」
「公邸も引き上げろと」
「そうだ・・しかし王族のお抱えの商人が自費で王都に商会を持つのならば問題は無いと思うが」
「わかりました、「なかつ国」は友好国は必要なく貿易だけが必要という事ですね」
「君の様な美しい女性に睨まれても方針は変わらんよ、そこに控えている人物も貿易商人だよ紹介しょう」
側面の壁に控えていた異邦人らしき男が声を出す。
「「アン商会」のカーメルと申します主にゴーレム関連を取り扱っております」
「我が国は異邦人の貿易商人とは手を組まぬ」
「それは御無礼を・・、好奇心から一つ質問をよろしいでしょうか王女様」
「なんだ」
「両肩に乗っている二体のフェアリースライム、あの黄金色のゴーレムには二体も必要なのでしょうか?」
「ふっ、貿易商人とは聞こえは良いが「わの国」の武器商人ではないのか?・・答えられんよ」
「・・それは残念でございます」
パーナ王女はポンドオン王に目を合わせると。
「急な訪問、ご迷惑をおかけした。我が国の方針もこれで決まりました、二つの屋敷は早急に我が国から商人を向かわせ取引を引き継がせることとしましょう」
「工房との取引を続けてもらえるなら屋敷の件は我が国は口をもう出さんよ、通常の商会が王都に増えるだけだ」
「では、これで失礼する。・・中立とは耳障りが大変よろしい言葉ですね」
そうポンドオン王に言い放ち立ち去るとパーナ王女とそのゴーレム部隊は一瞬の嵐が去るごとく帰国した。
どうか次回もよろしくお願いします。
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