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「藤原 晃」「ヴェルビー・ナァ・パーナ」(2)

更新いたしました。

 「名前は決まったのか?」

ハサンの港町フェルの「ぜら・あな」商会出張所でアキラと合流したニィーが挨拶もそこそこに話しかけてきた。

「え、はい、決めてきました」

アキラが答えると、ケイトもコンテナの前で振り返りながら話しかける。

「男の子だったの?女の子?」

「はい、双子で、姉の名前を「シャルト」弟が「ヴェル」、シャトルーズとビルから名前を考えてみました」

「なるほど、シャルトとヴェルか・・良い名前だよ」

「おめでとう!双子の姉弟だったのね」

ニィーとケイトがそう答えると、周りの皆も祝辞の言葉を口にする。

「アキュラ、おめでとう」

「きっと凄く可愛いのでしょうね、おめでとう」

「おめでとうございます。早く会ってみたいです」

「聖戦士殿、おめでとう。王宮での責任も重大ですぞ」

上空でもフェアリースライム達がチャアを中心に会話が弾んでいるようだった。



アキラがコンテナの前で作業を指揮していたドルに話しかける。

「やっと納品できますね」

「ああ、わの国の最新型のラジオでは我々な放送を聞けなくされていたからな。この「アダプター」って名前の魔道具を新型のラジオの横に置いてもらえば、再び我々の放送を聞いてもらうことが出来る」

「ハサンの国での普及具合はどうなんですか」

「あまり芳しくないな、商会で無料で販売しているのだが」

「わの国の放送だけで満足している人が多いいって事なんですか」

「何か皆の気をひくような番組がもっと増えれば良いのだが」

「スイの国のリュウの街にこの魔道具を納品する時に放送局に寄ってカーメルさん達に相談してみますよ」

「ああ、「アダプター」が普及しないと、最後に残されたこのドワーフの国も革命とやらで滅びてしまうかもしれないからな・・。よろしく頼む」

いつにないドルの真剣な眼差しがこの国での状況を現わしていた。



「産まれたんだってな、おめでとう。フジワラもとうとうおじいさんか・・」

カーメルは何時になく真剣な表情で放送局にアキラを向かへ入れた。

「ありがとうございます」

「アダプターの護衛中でご苦労なところ悪いが、少し時間をとれるか」

「はい、俺もラジオの件で話が」

「番組の話だろう。ラジオのコンデンツの内容で元プロが揃っている、わの国にはどうしても敵わない。しかし今ここに大きなイベントが発生した。お前の子供達の誕生を祝う祭りを大々的に開催してくれないだろうか」

「えー!・・質素にしたいと思っていたのに」

「ラジオ放送の目玉が欲しいんだ。これを生放送するとしたらアダプターも一気に普及する」


アキラの肩に両手をかけて懇願するカーメルにアキラは何も言えなくなっていた。





人ノ篇、最終章二話目となります。どうか本章もよろしくお願い致します。


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