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「コンラート・ナカッ・ポンドオン」「ジャック・ヌムール」(11)

更新いたしました。

 「おーぃ、生きてるか?」

ヘンリーが、両腕をとばされ地面に叩き付けられた状態のミスリルゴーレムから念話を飛ばす。

「生きてるのが信じられないわよ」

弱々しいエマの念話が聞こえてきた。

「師団長、足止めだけしか命令されてなかったのに、変に欲をかくから・・」

ノアが全てに絶望したかの様な口調で念話を飛ばす。

「恐ろしかったわね・・」

「二度と刃を交えたくないな」

「同感だ」

師団長は三人がアレン隊長に転送した秘書を横から勝手に閲覧しラーバン将軍のもとに転送した所、偵察と万が一の場合の足止めを命令されていた。


暫くすると、黒いゴーレムが上空に飛んできて念話を飛ばしてくる。

「無事な者が居れば返事を、なぁの国の聖戦士は何処に向かった?」

「国境の向こう、東の山脈の方向に飛び立っていきました」

エマが質問に答える。

「東の山脈へか・・。国境部隊は全滅みたいだな、後続の部隊に負傷者とゴーレムの回収を命じておく、今回の報告書の作成を忘れない様、部隊の者に伝えておけ」

そう言うと、黒いゴーレムは飛び立っていった。

「今の、ラーバン将軍だよな」

ノアが腕の無いゴーレムの身体を起き上げながらヘンリーに話しかける。

「アダマンタイトゴーレムだろ、将軍自ら来てくれていたんだな」

「なぁの国の聖戦士の相手をする為だろう。俺達が聖戦士と剣を交えたっていったらアレン隊長、驚くだろうな」

「絶対、あれでも手を抜いてくれてたわよ」

エマもミスリルゴーレムから這い出て髪を整えながら感想を口にする。

「王都に被害が出ない様に闘ってくれてたよな」

ヘンリーもゴーレムから降りると、遠くに見える王都を見つめながら話す。

「後続の部隊が到着する前に出来る事をやっておこうぜ」

ノアが部隊の他のゴーレムに向かってよろよろと歩き出すと、ヘンリーやエマもそれにならって救助活動を開始した。



アキラとトロフは、なぁの国の王都ウロポロで再びニィー達と合流すると、王宮の会議室で今回のハサンの国での報告を行っていた。

「失礼します、なかつ国での選挙の日程とその制度、実行方式が今しがたラジオにて発表されました」

文官が会議室に報告に入る。

「どのような実行方式になるの」

パーナが尋ねると文官が答える。

「ラジオで候補者の紹介と演説が行われるそうです。投票は認識票の魔道具を持つ者、全てで行われるそうです」

「ありがとう。また何か動きが有れば報告して下さい」

文官が引き上げていくと、トロフが認識票の魔道具を取り出し笑いながら話す。

「これが有れば、私も投票できるって事か?」

アキラも少し大袈裟に首を振りながら答える。

「たぶん、登録は抹消されていますよ。それに、なかつ国内での登録でもないですし」

「ああ、しかし随分便利な魔道具だよ」



トロフの笑いが緊張感の有った会議を少しだけなごませていた。




新章、十一話目となります。どうか本章もよろしくお願い致します。


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