「コンラート・ナカッ・ポンドオン」「ジャック・ヌムール」
新章、更新いたしました。
「なかつ国の人民を救うのだ。国境を開放せよ」
ラーバンは部下のゴーレム隊に檄を飛ばす。
「国境に居る人民に被害が出ない様、数で敵のゴーレム騎士達を押し込め。くれぐれも街道上空を戦場にするな」
さらに、戦略プランを周知する為に念を押す。
圧倒的数の白銀のミスリルゴーレムが国境上空を乗り越えて「なかつ国」に侵入していき制空権を奪っていく。
そして、ラーバンはも自らのアダマンタイトゴーレムを駈り国境ゲートを破壊し国境警備軍の施設に襲い掛かる。
(さて次は、ヌムールめ首尾よく国内を掌握しろよ)
施設の守備隊のゴーレムを神業の様な素早い動きで胴を真っ二つに切り裂きながらラーバンはこの国での次の展開を夢想していた。
「報告します、国境を「わの国」の部隊によって破られました」
部下の報告にポンドオン王は思わずその手に持つペンを震わせていた。
「私の親書は「わの国」には届いておらんのか」
「ラーバン将軍には、間違いなく届いているはずですが」
少し震えた声で部下は答える。
「ラーバンめ、国内の「わの国」関連と「アン商会」関連の施設は全て封鎖するのだ。そしてゴーレム騎士隊を王都に集結し国内全てに戒厳令を施行せよ」
王の言葉に執務室内に居た部下は急いで全て執務室を後にした。
なかつ国の王都の目抜き通りにある「アン商会」の支配人室でヌムールはお茶を楽しんでいた。
そこに、いかにも只の街の人間の様な装いの男が傅かえていた。
「そろそろだな」
「はい、既に主だった商品は既に別々にそれぞれの場所に運び出されております」
「街の様子はどうだ」
「住民は皆、王に対して疑心暗鬼になってます。グラス達は良い仕事をしております」
「では、我々も此処を離れよう」
「はい、この街はもう少しで革命とも呼べる炎に包まれていきますので」
「戒厳令が呼び水となることだろう」
ヌムールの裏の顔それは、わの国大統領直属の諜報部隊の頭目としての顔があり、ラジオの効果をこの国にまかれた「グラス」と呼ばれる部隊が支援していた。
彼はティーカップを静かにテーブルに置くとアン商会を後にした。
戒厳令下、王都にある工房や商店の武器は、逆に怒りに燃える民衆による略奪により奪われたり、わざと支援の為に譲渡されたりする。そしてゴーレムを扱える冒険者達は何故かいつもより多い納品前の騎士用のミスリルゴーレムを奪い乗り換える。そして、国のゴーレム騎士隊に戦いを挑んでいった。
そして何故か日が暮れると味方のゴーレムの数はさらに膨れ上がり、一晩にして王国のゴーレム隊は壊滅する事となった。
新章となります。どうか本章もよろしくお願い致します。
もしよろしければ小説家になろうでの、評価、ブックマーク・フォロー、感想などを頂けますと幸いです。




