「アレン・ブラッオ」「ジル・ニューブ」(2)
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高原地帯に広がる草むらに少し薄い色をした様々な色のスライム達が元気よく運動をしていた。
そこへ本日の訓練を終え、フェアリースライム達を城へ回収し帰還する為に色とりどりの色をしたミスリルゴーレム部隊が降下していく。
「ムサッシ、今日もご苦労様。子供達に異常はない?」
部隊の先頭で降下したアイがビルから降りてムサッシにフェアリースライム達の様子を確認する。
「はい、問題は有りませんが、そろそろ最初にここに来た子達が成人となる日が近づいています。彼女らをそろそろゴーレムと同化させる時期かと思います」
「え、そうなの?」
アイは本日の訓練の引率のトロフに尋ねる。
「ゴーレム騎士への募集の面接もまもなく始まります。師匠にも面接への参加をお願いしていた筈ですが」
「あ、そんな話も有ったわね」
「採用されたゴーレム騎士達の相棒として間に合う様、フェアリースライム達の城内での教育も急がなければなりません。ムサッシ、少し早いかもしれませんけど、明日からはゴーレムへの同化の教育を始めましょう」
「わかりました。少し寂しくなりますがよろしくお願いします」
ムサッシは暫くの間フェアリースライム達をじっと見つめてから皆に集まる様、号令を発していった。
首都、WAの駐屯地では新人ゴーレム騎士達の選考会議が行われていた。
「いつもは力不足と判定され、騎士の訓練の場として首都防衛隊に回されていた騎士達も容赦なく前線に回される事となって、今回は首都防衛隊も選考で選べるとはいえ、多少は優秀といっても新人には変わりないんだよな」
ジルが資料を見ながら溜息をつく。
「前任の部隊員達は除隊した者やリハビリが必要な者達ばかりになってしまているからな」
アレンも資料に目を通しながら答える。
「いきなり、あのゴーレムとの実戦だったら多少優秀な者でも、いや優秀な者ほどトラウマを抱えてしまうよな」
「かといって、わざと優秀でない者を指名する訳にもいかないしな」
「せめて、長官に教わった事を正しく伝え、相手の力量を正しく知る訓練をつけてやるしかないよな」
「まったくだ、せかっくの才能が駄目にならない様に、そしてできるなら守るべきは国民なんだとわかってもらいたいよな」
「まったくだが、長官の様な新人なんて現れてくれないよな」
「いや、あれで長官もかなり浮世離れしていたからな」
「この中に、そう言った逸材が現れることを期待しようぜ」
そう言いながらも、二人はそれぞれに与えられた人数分の書類を選び出していた。
新章、二話目となります。どうか本章もよろしくお願い致します。
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