「アレン・ブラッオ」「ジル・ニューブ」
新章、更新いたしました。
わの国、その官邸にアレンとジルの二人の騎士が事務官によって招集されていた。
「新たに編成される首都防衛隊の「アレン・ブラッオ」を隊長として、又「ジル・ニューブ」を副隊長として任命する、以上だ。では新たな任務に励んでくれ」
事務官による訓辞と任命書の引き渡しが終わると。二人は訓練所の有る施設へと向かった。
「等々、俺達にお鉢が回ってきたな」
強い金髪の癖毛をしたジルが笑いながらラテン系の直毛の黒髪をしているアレンに話しかける。
「首都の守備隊が使い物ならない様な被害がでたそうだ。自分達が前線から呼び戻される事態になったって事だよ」
「お前何か他に知ってる事が有るんじゃないか?この前、WAから帰ってから少し変だぞ」
ジルの問いかけにアレンは肩に乗っているラートリーに問いかける。
(ジルに例の件相談しても良いかな?)
ラートリーは少し考えると。
(今は前線にいるわけでもないし、新しい部隊への赴任前だからちょうど良いタイミングだと思うわ)
アレンは少し周りを見渡し、小高い丘をみつけ指差しジルに「あそこで少し休憩がてら話さないかと」
誘った。
「やはり何か有ったんだな、長官の事だろう」
ジルは丘の頂上に座り込むとアレンに尋ねた。
「ああ、ここなら誰が近づいて来てもすぐわかるから話しやすそうだ」
「エミリー、ラートリーと一緒に周りを見張ってくれよな」
ジルは自分のパートナーのフェアリースライムに声をかける。
「はーい」
そう答えるとエミリーはジルの肩から飛び立っていった。
「神というかこの世界の人類を創造したスライムが長官を取り込んでいるという事か・・、奥さんと息子さんがエルフ族と共にいるのも問題だな。近い将来、再び敵となる可能性が高いのだろう・・」
ジルが当惑した表情でアレンを見つめる。
「しかも今回、目撃されているゴーレムは翅が生え黄緑色に光っていたそうだ」
アレンの言葉にジルは頭を搔きながら答える。
「それって、要塞都市「バリキシメト」で長官と実戦形式の稽古していた息子さんのゴーレムじゃないか!」
「二度、首都の防衛隊が彼によって被害を受けたと思って良いと思うよ」
アレンの答えにジルが怒った様に話を続ける。
「大統領の個人的な不始末だろう。お前も俺と一緒に見ただろ、長官と同等な相手に警護なんかできる訳が無いぜ」
「だよ~な、この国はどうなって行くんだろう」
「さあな~。長官にしごかれていた時が、辛かったけど一番楽しかったよ」
二人の騎士は空を見上げながら自分達の今後を憂いていた。
新章となります。どうか本章もよろしくお願い致します。
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