「ドル・ターラー 」「レディ・フォー」
新章、更新いたしました。
「失礼致しますパーナ女王、なかつ国よりご注文の商品をお届けにまいりましたドルと申します」
パーナの執務室に一人のドワーフ族の男が商品を携えて訪ねて来た。
「ゼラ・ロンに頼んでいたビルの剣が無事、届いたようですね」
「はい、今回は聖戦士殿のシャトルーズの剣のメンテナンス作業もかねて私もついてまいりました」
「ごめんなさいね、二人は今、東の山脈のすそ野迄修練に行ってるの、日暮れ前には戻ると思うので暫く城内で剣と共に待っていてくれませんか?」
「待たせて頂きますよ。アキュラ殿とは随分と会っていませんでしたので楽しみにしております」
「アキラが「なかつ国」を出国してから随分たちますからね」
「はい、ではまた改めてお呼びください」
そう言うとドルは案内してきたキラと共に部屋を退出した。
空が薄暗くなると、紅に光る翼あるゴーレムと薄い黄緑色に輝く翅を持つゴーレムが東の空より王宮へ舞い戻ってきた。
「楽しみだね、この子の剣を速く見たい」
「母さん、手合わせは明日は出来ないから一人で慣らしをしてくれよ」
そう言いながらいつもの中庭に着陸するとその奥に真新しいミスリルの双剣が置かれていた。
「いいわね、良さそうよ」
すぐさまビルにいま装備してある剣を外し腰に双剣と一体になっているベルトを撒いた。
「注文通りに左右に一刀ずつ、私自身が装備している剣ときちんと同じ作りになっているみたいね」
「今日はここまででビルをしまってくれよ。久しぶりに会える人が待ってるんだから」
「まあ、明日の楽しみにしておいて、私は先に帰るわね」
アイはそう言うとビルを再びゆっくりと舞い上がらせると街の「ぜら・あな」商会へと帰って行った。
アキラはその場でシャトルーズを降りると中庭の奥のテラスでパーナ達と共に待っている一人の男の元に歩みを進めた。
「お久しぶりですドルさん」
アキラが頭を下げると。
「久しぶりですな、聖戦士殿」
ドルが感嘆深げに頭を下げる。
「早速ですが、シャトルーズの剣と盾を今のシャトルーズに綺麗に合わせて欲しいのですが」
「はい、その為に来たのですから、それにしてもこれがあのロックゴーレムだったんですか?」
「ええ、背も高く、スマートになってしまいました」
「これでは、盾のベルトだけでは調整できんでしょうな。盾の形状も調節する必要が有りますな」
「できれば、その辺もお願いしたいです」
「わかりました。しかし本当より美しいゴーレムになりましたな、先程の紅のゴーレムといい見とれてしまいますな」
二人を微笑ましく見つめていたパーナがそっと声をかける。
「立ち話はその辺で・・、続きは席を設けておりますのでどうぞこちらに」
あれからのお互いの出来事、積もる話は尽きる事はなかった。
新章となります、どうか本章もよろしくお願い致します。
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