「リョーウ・キラ 」「ルー・トロフ」(9)
更新いたしました。
「・・皆さん、お疲れ様です」
ニィーが疲れ果てた末での最後の元気を振り絞るかの声で挨拶を行う。
「・・これで眠れる」
「最後の魔獣の死体の片づけが一番堪えたな」
キラとトロフも同様に疲れ果てていた。
「新たなゴーレムも再び地底湖から生み出され上層階に向かって行っています。ゆっくりと休憩をとって、後の見張り番は俺と母に任せて下さい」
アキラが三人に頭を下げた。
「苦労をかけた、おかげでビルで剣技を振るうことが出来る。ありがとう」
アイもまた頭を下げると、皆もそれぞれ頭を下げて、それぞれ臨時の休憩所で眠りにつくこととなった。
「母さん、よくすぐに新しくなったビルに対応できたよね?違和感とかなかった?」
アキラがアイに尋ねると。
「直ぐに分かったわよ、それにアルも流石ね、良く対応できていたと思うよ」
「あの短い時間に速度の変化に対応出来てたなんて」
「魔獣達の動き、そしてキラやトロフの剣技というはっきりとした基準があったからね」
「俺達は随分苦労したよな」
チャアに同意を求めると。
「最初、私ではほとんど制御できませんでしたから。アルが優秀過ぎるですよ、五倍位は加速してましたから」
「多分、今のシャトルーズは更に二倍以上加速してると思うけど」
アルがチャアにそっと報告する。
「え、アキュラ今の内に一度シャトルーズに乗り込んで調節しましょう」
「そうだよな、母さん少しの間見張りを頼むよ」
「ああ頑張ってきな」
アイは、笑いながらシャトルーズに乗り込む息子の後姿を見送っていた。
予想通り、アキラ達は新らたな力を宿したシャトルーズの調整に大苦戦する事となっていた。
「剣先が常に音速を超えています。本気で振ってもこの子は大丈夫なんでしょうか?」
「自分の力で自分を壊すことになったら話にならないよ。奥義を使ったら体をぶっ壊したなんて話を聞いた覚えはあるけど、通常の剣技で同じことになったらどうしようもないよ」
「どこまで耐えられるか、少しづつお願いします」
「わかった、少しづつ振りを早くしていこう」
「はい、既に常人には捕らえられないスピードになってるんですけどね」
「あ、今いい感じだった」
「ですよね、ですよね」
「よし、本気を出してみよう」
「え。この子も喜んでる!」
シャトルーズの両目が光るとオーラを纏った二剣を交差させる。すると静かだった地底湖の湖面が真っ二つに割れていった。
「あ、やりすぎたよ・・」
「この子も反省してるみたいですよ」
湖畔で休憩していた三人を慌ててシャトルーズと既に危険を察知してビルに乗り込んでいたアイで救助する事となった。
新章、九話目となります、どうか本章もよろしくお願い致します。
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