「リョーウ・キラ 」「ルー・トロフ」(7)
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「ニィー、なるべく大きいのを頼む、撃ち漏らした魔獣は私達に任せろ」
アイがすっかり押され気味のニィーに念話でアドバイスを送る。
「もう少ししたらどちらも意識を失うはずだから、アル、チャア、飛ばずに隠れていてくれ」
アキラはそう言うとアイと共に駆け出していく。
「この世界でどの位腕を上げたのかよく見せてもらうわね」
「そんなに自分自身では魔獣退治はしてこなかったよ」
そう言いながらアキラは二刀の小剣で魔獣の首の急所を的確に切り刻む。
「ちゃんと覚悟を決めた剣さばきになっているわね」
そう言いながら、アイも薙刀の柄の部分を使い中型の魔獣の肋骨の隙間から心臓を貫く。
「あの二人はゴーレムいらないんじゃないか?」
「余裕だなトロフ、私はそれどころじゃないんだが」
「すまんキラ、しかしこの地竜より師匠達の方が恐ろしく感じるのは錯覚なんだろうかな」
「この地竜が今の所、魔術や技を使う事が無いからそう感じるだけだ」
「こいつは力だけで生き抜いてきたんだろうな」
「魔法剣を使うぞ」
キラはそう言うと剣に電流を纏わせる。その間にトロフは魔力をまとって肩から体当たりを地竜に決める。
「ぬぉ!」
体制の崩れた地竜にキラは剣を突き刺し電流を浴びせる。
「やったか」
そう叫んだ直後トロフは地竜の尻尾に吹き飛ばされ、更に地竜は大口を開け先程受けた電流をキラめがけて口砲と共に撃ち返す。
「こいつ、ミラーマジックタイプか」
吹き飛ばされながらキラは唇を噛む。
「やはり一筋縄ではいかないな」
トロフが体勢を立て直し再び魔獣に突っ込む。
「そうだな、兎に角足止めに徹しよう」
キラも再び剣を構えた。
「アキラ、無理・・」
その言葉を最後にニィーが魔獣の群れに飲み込まれていった、その時・・。
緑色をしていた空間の光が薄い紅色へと変わっていきそして湖の中央の水面が音もなく膨らんでいく、・・そして眩い黄色がかった紅色に光る翼のある人の形をしたものが浮かんでくる。
足を揃え両手と指をを広げ何かを叫んでいるかの様な美しい姿をしたビルが浮上してきた。
「・・おはよう、あれ?ビル、手がついてる?凄く格好良いよ、さあ共に行こう」
アルが目覚めビルの元に向かう、アイも素早く魔獣の元を離れビルへと向かう。
「晃、そこにいたら邪魔になる。すぐ離れなさい」
「了解」
アキラもすぐに理解して地底湖の方へと脱出する。
より神々しさを増した翼と腕を備えたビルがニィーを救うべく魔獣の群れへと突っ込んでいった。
新章、七話目となります、どうか本章もよろしくお願い致します。
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