「リョーウ・キラ 」「ルー・トロフ」(6)
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ハイエナに似た魔獣達の屍骸を地底湖に沈めると、ニィー、キラ、トロフの三人は急ピッチで穴を塞いでいた。
「早く通路を塞がなければゆっくり休息も取れないな」
「まったくだ、今日こそは完成させよう」
キラ、トロフの会話にニィーも続く。
「上の階層にいる魔獣達、ゴーレムを使って闘ったとしても私の実力では直ぐに食い破られてしまいそうですよ」
「まあすべての魔獣が降りてくるわけではないらしい、最初に降りてくるのは常にに魔石が足りていない魔獣達らしいし、上位の魔獣は直ぐには降りてこないよ」
キラの言葉にニィーが再び弱音を吐く。
「いつもはシャトルーズの傍にいれば安全だったんだよな。超強力な魔獣は降りてくるなよ、・・お願いします」
キラ、トロフはニィーの絶叫に、これからの数日間が人生最大の魔獣討伐数になるのだなと溜息をついていた。
そして二日後、ついに魔石に飢えた魔獣達が地底湖を目指して下りはじめた。
三体のミスリルゴーレムは最後に残した一か所の通路の前で魔獣達を切り捨てる、出口が魔獣の屍で一杯となりその後続の魔獣の塞がれた餌場となるまで切り続ける。
ニィーが言葉にならない絶叫を叫び剣をふるう。キラ、トロフは見事なコンビネーションで魔法が使えそうな上位の魔獣を優先して戦い続けていた。
「三人とも、よく頑張っていますね」
アキラがアイに同意を求めると。
「今の所はね、でも長期戦になったうえに最後にゆっくりとあの魔獣達を餌にしか考えてない様な魔獣が降りてくると思うんだけど」
「・・それ当たってしまいそうだよ。ビルやシャトルーズ、早く出てきてくれないかな」
「今の所、前回の様な感じではまだありません・・」
チャアが申し訳なさそうに答える。
数時間が経過した後突然、別の塞いだ通路からもの凄い爆音が鳴り響き土煙が一気に噴き出してくる。
「晃、身を隠すぞ」
アイがアキラの腕を掴むと一気に通路の反対側の岩陰に潜り込む。
アキラ達が見つめる土煙の中から現れたのは地竜と呼ぶべき魔獣だった。
(でかい・・)
そして、広い地底湖に鳴り響く叫び声が上がる。
「キラ、トロフ、正念場だよ。そこはニィーにまかせて二人はあの魔獣を抑え込んで」
アイの念話にキラ、トロフが叫ぶ。
「師匠、あれは無理ですよ」
「どうすれば・・」
アイはためらいもなく答える。
「時間を稼げればいい、ビルが出てきたら私がどうにかするわ」
「師匠・・」
そう叫びながら二人は地竜へと向かって行く。
ゴーレムの数倍は有ろうかとする魔獣相手の死闘は続いていく。
新章、六話目となります、どうか本章もよろしくお願い致します。
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