「リョーウ・キラ 」「ルー・トロフ」(2)
更新いたしました。
いつも通りシャトルーズで地面と世界樹の境の幹の捻じれた部分の隙間に飛び込んでいくと、皆もそれに続いて広い縦穴の空間を降下していく。
そしてサバンナの様な広い空間に飛び出るとビルが編隊より離脱して世界樹の根の中心の方向へ飛んでいってしまった。
「師匠、どちらに?」
慌ててトロフがついて行こうとするがアキラが止める。
「ここでバラバラに行動するのは危険です。もう少しで地底湖です。そこがセーフティーゾーンになりますので、このままついて来て下さい」
アキラは地底湖の空間に到着すると、ニィーに二人を任せて再び迷宮の最下層の広い空間に戻って行く。
「母さん、あれほど注意したのに・・」
世界樹の根元に向かっているとアルから念話が入ってくる。
「アキュラ、こっちよ早く来て!」
チャアがアルが念話を発する方向へシャトルーズを向かわせるとビルが中型のハイエナ系の魔獣の集団にか揉まれていた。
「何をやっているんだ」
翼しかないビルが足技で必死に何かを守ろうとしていた。剣を抜きシャトルーズがその中に飛び込む。
「足技しか使えないし、近すぎてビルのバリアは使えないし、助かったわ」
シャトルーズがオーラを放ち魔獣達を一定の距離まで追い払うと、アルがビルの翼を広げ球形の光で侵入を防いだ。
「え、この子は」
チャアの声にアキラはビルの後ろにいる傷だらけの魔獣は幼い巣立ちしたばかりであろうグリフォンだった。
「この子を助けようとしたのか」
「うん、この子の助けてって声がしたの。ごめんなさい・・」
アルが消え入りそうな声が届いた。
「よくやったね、この子の親鳥には世話になってたから気にすることはないんだよ」
アキラはアルにねぎらいの言葉をかけた。
その時、親鳥のグリフォンが現れ魔獣の群れは慌てて逃げ去って行った。
「治してあげるね」
ビルが子鳥に翼をかけると緑色の光を放った、するとたちまち傷がいえていった。
「凄い」
「え、凄いな」
アイもアキラもビルの力に感嘆の言葉を上げた。
傷が癒えた子鳥が翼を広げ空に舞い上がると、親鳥と共に声を上げると上空で円を描くと上層階へと消えていった。
「御免、母さんが又やらかしたかと思っていたよ」
その言葉にアイは一呼吸おいてから。
「私もやらかしたと思ってたわよ」
と、本音を口にした。
「じゃあ、ついて来て」
「参ったよな。つくづく、あのグリフォンには縁があるよね」
チャアに独り言を呟くと、目的地の地底湖にシャトルーズとビルは共に降りっ経つ事がようやくかなった。
新章、二話目となります、どうか本章もよろしくお願い致します。
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