「藤原愛」「ローレンス・エクスペル」(10)
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「奪還は可能なのでしょうか?それとも長官の開放を何十年も待たなければならないのでしょうか?」
ムサッシの話を聞き終えて、アレンが悔しそうにアキラにたずねた。
「腹の中に捕らわれているんだ、可能なら親父が実行していると思いますよ」
「長官の武技の知識を吸収しようなど、可能なのですか?」
「母の武技のコピーは出来ていたみたいだけど、コピーはコピーでしかないと思うし、つまり武技や経験は記憶できても身体を使って修練する過程が抜けている様な気がするんだけどね」
「長官は稽古でも、「だだ剣をふるうだけでなく常に実戦を想定し身体に覚えこませろ」とおっしゃってました」
「しかし、もしその考えまで実践するようだと、救出はさらに困難になると思う」
「長官とほぼそのものの相手とは戦いたくはないですね」
「しかも腹には親父が居るんだから、しかし母は知識が増える前に奪還したいと考えているみたいなんですよ」
「出来れば協力したいですが・・」
「大統領があいつらと繋がっている以上、アレンさんは動かない方が良いと思います」
「エクスペル大統領、先の独立運動の二大英雄の一人なのですが、まさか神と呼ばれている者と繋がっているとは」
「神?、私達と同じ様なスライムでしか有りませんよ」
ムサッシが怒りにも似た言葉でアレンの言葉を遮った。
「そうよ、私達を創った?獣人達にゴーレムを使わせるために?、私達にだって感情は有るし道具の様に使われる為に作られたっていうの?」
ラートリーもムサッシに同調して叫ぶ。
普段は感情を抑えマスターに尽くすことで共生する様に本能に上書されていたであろうフェアリースライム達の言動にアキラもアレンも驚く。
「どうしたんだみんな?」
アキラが驚きチャアに回答を求める。
「あのスライム達がパートナーにはなりえない普通の魔獣達と同類の様に私達には感じているのです」
「魔獣達と同類?」
暫くアキラは考え込むともう一度口を開いた。
「共生関係にない生物だと認識しているのか?」
アキラの言葉にアレンも続く。
「我々にとっては神の如く見える生物もフェアリースライム達にとっては魔獣と大差ないってか・・、ハハ・・だとすると我々の大統領はそんな魔獣なんかと取引をしているって見られてるわけだ」
悲しそうにアレンは笑っいながら話した。
最後に長官の愛弟子にだけには真実を伝えさせてもらうというアレンとラートリーを残してアキラは腕輪で収納したムサッシと共にシャトルーズで島を離れ飛び立った。
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