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「藤原愛」「ローレンス・エクスペル」(9)

更新いたしました。

  「ムサッシいるの?。居たら返事をして」

チャアが念話で叫ぶ、コンテナの前に降り立ったシャトルーズは一旦剣を抜き周りをけん制する。

「この中に居ます。チャア、アキュラ、フジワラの奥様はどうなりましたか?」

「救出したわ、暫く揺れるけど辛抱して」

アキラはシャトルーズを中型のコンテナの下部に潜り込み背負う様にして持ち上げる。

「飛べるのか、シャトルーズ!」

アキラの不安をよそにシャトルーズはコンテナを背負ったまま浮かび上がる。

「凄い、飛んでるよ」

「今のこの子なら出来るって思ってました」


しかしコンテナをさらっていくゴーレムに混乱する人々をよそに、一人の騎士が深い黄色のゴーレムを召喚し周りの者を制して乗り込みシャトルーズの後を追っていった。



「アキュラ、追ってくるゴーレムがいます。でもあれは・・」

「一旦先程いた岬の砂浜に降りよう」

コンテナを砂浜に降ろすと迫ってくる深い黄色のゴーレムに目を向ける。

「あれは・・」

「ええ、あれはシュミーのゴーレムです」

驚くアキラにチャアが答える。

上空で深い黄色のゴーレムが静止すると両手を上げる。

「私よ、ラートリーよ」

「アキュラ殿、私です要塞都市「バリキシメト」でフジワラ国防長官の護衛をしていた者です」

砂浜に深い黄色のゴーレムを降ろすと中からラートリーと見覚えがある人物が降りて来た。


「こんな形で出会うとは思っていなかったよ」

アキラがラートリーに話しかける。

「私も貴方のゴーレムが襲い掛かってきた時には驚いたし生きた心地がしなかったわよ」

「すまない、まさか君がいるとは思わなかったんだよ」

「紹介します、私の新しいマスターの「アレン」です」

騎士は日本式の一礼をするとアキラを見つめ少し微笑んだ。

「アレンと申します。「バリキシメト」上空での貴方と長官の「アオウ」との立ち合いを見ておりました、素晴らしく又恐ろしくもありましたが、感動いたしました」

「え、・・ありがとうございます」

「長官が辞意を表明され行方が分からなくなった後、フェアリースライムだけが首都に戻ってきて、私達が接触を試みたのですが・・一切答えてくれず、牧場までの護衛を申し出ていたのです。私は只、長官の身に何が有ったのかを知りたいだけなのですが・・」

少しアキラは困った顔しながらチャアにたずねる。

「なあ、どこまで喋ったらいいんだろうか?」

「やはり私達ではなく「ムサッシ」の気持ちを尊重したいです」

「そうだよなあ、「ムサッシ」に聞いてみるべきだよな」



事情をコンテナのムサッシに話してみると、アキラの腕輪と繋がった後でなら喋ても良いと答えた。





次話もどうかよろしくお願いします。


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