「藤原愛」「ローレンス・エクスペル」
新章、更新いたしました。
「今まででの最高高度です、大陸の山脈最高峰を五倍は超えています」
チャアの報告にアキラは頷くながら進行方向にきちんと添えられているシャトルーズの両手にもの凄い圧を感じていた。
「二時間程で、目的地のWAに到着いたしますので、空気も十分持ちます」
「マッハ3は出てるな・・」
「・・・」
アキラの呟きにチャアが意味が解らず返答に困っている様に感じられたので言い換えてみる。
「音の速度の三倍で飛行してそうだと言ったんだよ」
「音のですか?」
「雷の時に遅れて音や振動が伝わるだろう。音にも速さが有るんだよ」
「この高さなら何も障害物はないから良いですけど恐ろしい速度なんですね」
「この高さだから出せるんだけど、それにしてもシャトルーズは凄いよね」
「この子、凄すぎますよ・・」
超高高度をシャトルーズは一直線に目的地に向かって更に加速していった。
「ここは・・」
「あ、、お目覚めですか?」
アイはベッドの上であることを確認しながら英語をしゃべる看護師?っぽい女性の声の主に質問した。
「ここは何処なんですか?随分長い夢を見ていたみたいなんですけど・・」
「英語を話せるようですね。ここは大統領官邸内の医務室です」
「大統領官邸なんですか?」
「はい、身体の調子は如何ですか?」
「重たいです、長い間・・動いてない様ですね。筋肉が凄く衰えてます」
そう言いながら、手を型通りに動かしてみる。
「何年も動かせてないと聞いておりましたが、凄いですね驚きました」
「何年もですか?」
「そうです、ずっと貴方は昏睡状態だったんですよ」
「ここは何処の国なんですか?」
「「WA」という国になりますが驚かないで下さい・・、ここは異世界で私達はこの世界の者には異邦人と呼ばれています」
その言葉にアイは最後の記憶がよみがえってきた。
「そうだ、私は飛行機に乗っていたんだ。そして光・・巨大な影」
「とにかくまだ安静が必要ですからゆっくりと横になっていて下さい」
そう言うと看護師は部屋の外へと足早に出ていった。
(・・報告に行ったか?部屋の外には幾人かの警備がいるか?私は軟禁状態で・・とりあえず変な薬は打たれて無い様だ。異世界か・・冗談の様ね)
アイは万が一の脱出ルートを考えながら手足、筋肉の状態を確認していった。
しばらくすると、警報音が鳴り響き窓の外には兵装した巨人の様な物が飛び回る姿が目に入ってくる。
「なるほど、確かに異世界よね・・」
アイは段々と心が躍り出す気持ちを抑えられない自分に苦笑していた。
新章となります、どうか本章もよろしくお願い致します。
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