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滅びゆく国(11)

更新いたしました。

  「鞄や剣は身に着けたままで大丈夫なのか?」

「そのままで構いません、背中を向けて私の本体に寄りかかって下さい」

チャアが明るく答える。

アキラは胸部から腹部にかけて開いた奥に見える柔らかそうな白いスライムに背中から身をゆだね吸い込まれていった。

(この感覚は・・)

おもわずチャアに訊ねる。

「俺、もしかしたらチャアに捕食されてるんじゃないのか?」

(もともと私達はこうやって捕食しているのですが・・、異邦人の様に強いオーラをお持ちでしたら長期間このままでも捕食できませんよ)

アキラはやはり野生のフェアリースライムとは妖精の姿をした分体が誘い出し捕食する生き物だったんだろうと納得した。

「チャア達ってもともとは怖がられてたりしてなかったのかい?」

(ええ、元々暮らしていた居た獣人の国では、魔力・・オーラの弱い者達には恐れられていました・・、準備出来ました目を開けてください)

アキラは目を開けると視界が明らかに高くなり、少し先にケイトとドルがこちらを見上げている姿が見えた。

(まず右手を動かしてみて下さい)

右手を動かすと視界に入った右手は自分の意思で動くシャトルーズの右手であり指だった。

「立てるか?」

ケイトの声が聞こえた。

アキラはゆっくりと立ち上がってみた、更に視界が高くなる。

「これが、操るって事なのか・・、俺はシャトルーズになっている!」

「とりあえず、ゆっくりでいいから盾を装備してくれ」

ドルが盾を指差して叫ぶ。



「よし、これで装備できた」

「今日は、ここまでで中座して降りてきてくれ」

ドルとケイトがそれぞれ叫ぶ。

アキラは中座し盾を装備した両腕を地面に着くと、チャアが再び目を閉じるよう促した。

そして、吸い出されるように感じた後地面に降ろされていた。

「どうだ、初ゴーレムの感想は?」

ケイトが近づきながらたずねる。

「3Dゲームの様な、それでいて自分がゴーレムになった様な」

「最初で盾を装備できたんだ上出来だよ」

ケイトは笑いながらアキラの肩を叩きねぎらった。

本体から妖精の姿のチャアが首をかしげながら出てきた。

「この子、ダンジョン産ですよね、魔核はちゃんと抜かれて中の空洞内には何もないみたいなのに・・生きてるみたいなんです」

「なんだと」

ケイトとドルが驚く。

「深く眠っている様な、仮死状態っていうんですか?」

「大丈夫なのか」

ケイトがドルに尋ねる。

「魔核がないのに、生きてるはずは・・」

「目覚めたらどうなるんですか?」

アキラが尋ねる。

「魔核がないならそもそも生きてないし、目覚めたら魔核が生まれるなんて事は・・」

ドルが答えると。

「とりあえず暫く乗らずにドワーフの国で調べてもらえば良い、レアなゴーレムかもしれないし」

ケイトが興味深そうに答えた。

「それにこの子、私みたいに飛べそうなんです」

「妖精の様にか・・」


ケイトが呟いたその時、警報の鐘やラッパが城内に鳴り響いた。




どうか次回もよろしくお願いします。


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