「藤原 武尊」「ヴェルビー・ナァ・ラーバン」(12)
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「よし、予定通りだな」
ニィーは「ゼラ・アナ」とそれを迎えに行ったシャトルーズの姿に安堵する、二回目の「アンマ」への任務もコンテナを回収し帰還すると完了となる。
「今回は五体のミスリルゴーレムの捕獲に終わったが、悪くなかったよな」
ニィーの質問にケイトは苦笑しながら答える。
「十分よ、そう何度もアダマンタイトゴーレムみたいな上位種が捕獲できる訳が無いでしょ」
ゼラ・アナがコンテナ上空に着地すると上空待機するはずのシャトルーズも着陸する。
「ニィー、悪いが通信が入った手早く準備を頼む」
アキラの言葉にニィーは首をかしげながら答える。
「パーナ女王から緊急連絡か?」
「いや、親父だ。上空監視に戻る」
そう答えると再びシャトルーズは上空に舞い上がる。
父親の武尊から突然首飾りの魔道具に音声が入って来てフェアリースライムの「ムサッシ」よりチャアに黙って聞くだけにしてとのメッセージを受ける。
その会話の内容は親父が「ランディア」の海底迷宮でバイフー(白虎)を人質にとりショワンウー(玄武)と交渉を始めたタイミングだった。
「ショワンウー(玄武)!、妻を、愛を開放してもらう」
既にぼろぼろの肢体となっているバイフー(白虎)を羽交い絞めにして武尊は叫ぶ。
(強いな、以前そのチンロン(青龍)を倒した時より数段戦闘力が上がっているな)
ショワンウー(玄武)の少し満足げな言葉に武尊は更に続ける。
「あの時は、試作の飛行ユニットとミスリルゴーレムだ。この「アオウ」と共に更なる鍛錬を積んだ私はお前とその仲間達を一刀両断にすることも可能だ。まずこのバイフー(白虎)の命を守りたいなら従ってもらう」
(バイフー(白虎)以外は腹の異邦人の人質が気になって手出し出来ないのではないのかな?。しかしお前の剣技は私の知識欲の最上位にいる。お前が私の腹に入ってその知識を伝授してもらえるなら開放してやっても良いのだがな・・貴様の妻を)
「・・愛を開放してもらえるなら、その条件を飲もう」
(では案内するので転移の間について来てもらおう。そこで貴様の妻を開放するとしよう)
(ここが、転移の間だ。「わの国」の「WA」の神殿と「なぁの国」の「ウロポロ」の神殿どちらに一方通行の転移が出来る。どちらに転移させたいのかな?)
「そうだな「ウロポロ」にしてくれ」
(やはり息子のいる場所か、わかった)
一方の魔法陣にショワンウー(玄武)は腹からまだ昏睡している愛を横たわらせる。
(さあ、お前もチンロン(青龍)から出てきてもらおう)
羽交い絞めにしていたバイフー(白虎)を開放しながら武尊は叫ぶ。
「ここ迄だ、後は愛を転送してからだ」
その言葉にショワンウー(玄武)は無言で転移紋に魔力を込める。
(転移させたぞ、約束は守ってもらう)
「わかった。私が降りた後は私のフェアリースライム「ムサッシ」も妻の元に送り届けてもらいたい。伝言が沢山有るんだよ・・」
そう言いながら武尊は「アオウ」チンロン(青龍)から出てくる。そして腕輪と首飾りを隠しながら「ムサッシ」に渡す。
その直前に「晃」に最後の言葉を伝えていた。
(晃、お母さんを愛を頼んだぞ)
その言葉を最後に交信は途絶えた・・。
、
暫くたってから「ムサッシ」から再度交信が入る。
「罠でしたWAに飛ばされてしまってます。大統領とあいつ等は繋がってます」
その言葉の直後、アキラはニィーに話を伝え「ゼラ・アナ」からシャトルーズを離脱させ、西の空へと高速で飛行していった。
「藤原 武尊」「ヴェルビー・ナァ・ラーバン」の章はここまでとなります。次回から新章に入ります、どうか次章もよろしくお願いします。
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