滅びゆく国
ゴーレムを操縦して闘う異世界転移の物語です、よろしくお願いいたします。
(ここは何処だ・・)
薄暗く目が慣れてこない・・、床から薄らと光が放たれていた。
(光ってる・・魔法陣?、まさか・・、人が倒れている?その傍にいるのは小さな羽の生えた・・妖精?馬鹿な!俺は先程まで電動オフロードバイクで大会に備えて練習してて・・、いい感じでジャンプしてそれから・・)
「おい、大丈夫か、此処は何処なんだ」
妖精と人影に近づくと妖精が振り返り腕輪?を持ち上げ飛んできて目の前に置いた。
「・・・」
俺が固まっていると妖精は突然ジェスチャーで腕輪を腕に着ける様に必死でアピールしてきた・・。
その仕草が余りにも可愛く可笑しいので、思わず笑いながら腕輪をしてしまってた。
「これで良いのか?」
目の前で起こるありえない光景に戸惑いながらも少しずつ心に余裕が出てきた。
すると次の瞬間、妖精の両手の手のひらが光り、大粒の宝石の様な白い石が現れ再び可笑しなジェスチャーで腕輪に着ける様必死で嘆願する・・。
「わかったよ、付けるよ・・」
溜息をつきながら渡された白い石を腕輪の凹んだ場所に付けてみる・・。
突然石が輝きだし声が聞こえてきた。
「初めまして、これがで念話が使えるようになりました、マスター」
「初めまして、ってかどうなっているのか状況を説明してくれよ・・、あの人は大丈夫なのか?それにマスターってなんだよ」
「前のマスターΔΦ∂♀♭は重傷をおって更にマスターを召喚転移させた際に力尽きて・・」
「召喚、転移?」
「はい、ここは理の違う別の世界です」
「まさか・・、魔法が使えるとか・・」
「はい、この世界は異邦人と呼ばれるマスターの世界の人は持たない魔力又はオーラと呼ばれる力が存在します」
「魔法が・・、頭が痛くなってくるよ・・で、なんで俺がマスターなんだい」
「私はフェアリースライムという種族となります、そしてその契約の腕輪に心核の一部を差し出すことで主従関係が成立し念話が使えるようになるのです」
「え、君スライムなの?なんで俺と主従関係を?」
「マスター、腕輪をした左手の手のひらを床にあてて下さい」
「こうか」
すると床に魔法陣が現れ白い大きなスライムが現れた。
「これが私です、妖精の姿の私は分体にすぎません、そして本来は更にゴーレムと同化して収納され、そのゴーレムはマスターが操縦しコーレムナイト・・聖戦士と呼ばれる存在となるのです」
「訳が分からない・・、俺は魔法なんか使えないよ」
「安心してください異邦人は魔法は使えませんが魔力、オーラはこの世界の生き物の最低でも数倍持たれています、ゴーレムに搭乗すればその力が生かせます」
「で、俺にこの世界で何をさせたいの?」
暫くの沈黙の後、妖精は答えた。
「異邦人が新たにつくりあげた国を打ち破り滅ぼしてもらいたいのです」
異世界での異邦人達の立ち位置そして大戦に否応なく関わっていく少年、彼の道開く未来とは・・。
どうかよろしくお願いします。