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お題「泣いたことさえ嘘にした」「優しいおわり」「水の音」
ポタリと水の音がした気がして。私はいつの間にか寝てしまっていたのだと気づいた。
帰って来てから着替えもせず、制服のままベッドで横になっていた。このままでは皺になってしまう、と思いながらも、起きる気力もなくベッドに体を預け続ける。
ベッドの柔らかい感触が、沈んだ心を優しく受け止めてくれている。嫌なことは全て忘れて、もうこのままずっと眠り続けていたい。
制服の袖で目元を拭うと、なぜか濡れていた。あのとき私は笑って立ち去って。泣いたことさえ嘘にしたはずなのに。好きになったことさえなかったことにしたはずなのに。
それなのに。一体なんで、今になって涙が溢れてくるのだろう?
「――今度は本気で好きだったのになぁ」
言葉にすれば簡単なこと。考えるまでもなく、私自身の心が一番それを知っていた。ただ、認めたくなかっただけなのだ。
優しいおわりを求めるように。私はそっと瞼を閉じた。
試しにプロットを考えずに書き始めてみましたが、結果、全く書けませんでした。




