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プロローグ


 落ちこぼれの俺にもワンチャンあると思ってた。


 何故なら俺と同じくして最下層の住人である来栖くるすにしてアレだからな。


「これがスキル! これが力! 圧倒的じゃないか我が軍は!」


 おかしなテンションだが無理もない。片手をかざしただけで地形が変わるような魔法が撃てるのだ。誰だっておかしくなる。これが異世界人たる俺たちが召喚の際に顕現した神様のギフトであるスキルの恩恵によるものらしい。


 簡単に言えば召喚ボーナス。一人一つは授かったらしい。ただいまそのチェックの真っ最中であった。


「次の方どーぞー」

「ようやく俺の番か」


 腕が鳴るぜ。来栖ですら地形を変えられるのだ。俺なら山ぐらい吹き飛ばせるかもしれないな。


「えっとこれは……」


 鑑定士だかいう文官の顔色が悪い。おっとこれはやばいスキルを授かった可能性大だ。今のうちに反抗の意思がないことをアピールしておいた方がいいかな?


「どうかしましたか? 俺のスキルは……危険なものでしたか?」

「いえ……強化系のものでした」

「強化系?」

「はい。継続スキル……ようするに強化魔法の持続時間を増やすものです」

「ほほーう……つまり俺は戦士職と?」

「それが……」


 文官さんの歯切れが悪い。あっ嫌な予感がする……。


「アマサワ殿には戦士の素質が見られませんので強化魔法は使えないかと……」


 何それ? あんまりじゃない? 死にスキルじゃんこれ……。


「ででででででましたぁー! 英雄スキルです!」

「なんと!」

「これは大事ですぞ!」


 お隣さんが騒がしい。立ち会いの武官さんまで大慌てだ。その様子をまんざらでもなさそうな顔で見ているのはクラス一のイケメンでリーダー各の大河たいがだ。


「大河くんスゴーイ!」

「さすが大河くんだね!」


 おうおうクラスの女子共がきゃあきゃあ騒いでおるは。いったい何がスゴイってんだ?


「経験値倍増、ステータス補正【特大】、神獣召喚、神聖魔法取得――」


 ハイハイスゴイスゴイ。いったいいくつ特典ついてんの? それに比べて俺ときたら……。目の前の文官さんも俺と見比べて哀れんでますわ……あはは、笑えよ?


 こうして俺の異世界で一旗揚げる夢は一瞬で潰えたのだった……。


 もう未練ないし帰して? えっ無理? マジで?


 まあ……予想はしてたけどな。


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