『紅葉を焚く』
秋の夜長に夜寒を感じて
暖房器具がほしくなると冬間近。
霜がおりて木々の葉が色づき
いろんな実も鮮やかに熟して
秋のフィナーレを飾る。
紅葉と書いて、
紅葉と指すように
ひときわ抜きんでた鮮やかさが
他の追随を許さない楓だが、
七竈や万作
野茨や漆の紅葉もまた美しい。
晩秋の晴天の下、照り映える紅葉。
秋の高い紺青の空と
赤く燃える楓は
そのままで一幅の絵になろう。
秋の野山で、紅葉を楽しむ宴は古くからあったけど
当時は黄色い葉の方が重んじられていたといいます。
それが逆転したのは、平安時代で、
色鮮やかに紅葉する楓が「もみじ」の代表となりました。
『源氏物語』の紅葉賀には
貴族が嵐山で舞楽を楽しむ様子が華やかに描かれています。