そうだ、もう少し栄えてるところに行こう
結局、傍らにあったなんやかんやのせいで色々状況把握が追いつかなかったせいで、俺がその村を出たのが翌日になってしまいました。
ここの村民、二昼夜どんちゃん騒ぎ出来るとかマジすげぇ。あとどんだけあのヒャッハーに苦しめられてたんだよっていうね…。
……まぁとりあえず分かった事と言えば、やたらめったら酒に強くなってるって事と、あの金貨と食料が俺へのお礼の『一部』だったという事。
一応女神様から頂いた金子もありはしたし、食料だって同じように持ってたんだけど、どうやらどっかのタイミングで、俺が魔法空間にそれなりに空きがある事をポロリと言ったらしく、じゃあ詰め込めるだけ持ってけウェヒヒ…という顛末だと後で聞いた。
無意識怖い。
というか、なんで村焼けたのに食料あんのよって思ったけど、どうやら風車小屋に備蓄用の地下倉庫があるらしく、そこの蓄えなのだとか。
流石にココの存在がヒャッハーズにバレると本格的にヤバいらしく、「お前に食わせる食料はねぇ!(意訳)」と村長が告げたところ、「じゃあ女持ってこいヒャッハー!(原文ママ)」となったという。
村を焼かれたのは、つまるところ「もうココに用はねぇぜヒャ(ry)」という事だとか。もうちょっとヒャッハーズを懲らしめてもよかったんじゃなかろうかと思ったのはココだけの話。
んで、金貨と食料のほかに渡されたのが、あの消し飛ばした頭領が持っていた魔導具とスタミナイーター(笑)。
売ればそれなりの金になるだろうし、売らなくても一人旅には役立つだろうとの配慮らしいけど…魔導具はまだしもスタミナイーター(笑)が売れる気配が一切しない。
あと、この魔剣から何やらおかしな雰囲気を感じ取ったので、後で色々と調べてみる必要がありそうだ。人の手に渡ったところで何の恐怖すら感じないけど、俺でどうにか出来るならどうにかして使ってみたいところではある。
……ま、色々と調べるにも弄り倒すにも、ココじゃあ如何せんどうしようもないのが事実。
というワケで。
「お世話になりました。とりあえず栄えてるとこに行こうかと思ってるんですけど、こっちからだとどっちになりますか?」
大量の酒と食い物のせいで死屍累々の状況になってるこの村から脱出し、資料も道具も揃っているであろう都会を目指してみる事にした。
…一時のテンションと場の雰囲気に飲まれすぎだろココの村人。ホントに老若男女問わず綺麗に潰れてるんですけど…。
「あぁ…おぶっ…!さ、栄えてるところですかな?…で、でしたら…んごぅっ!……(ゴクン)……ふぅ。でしたらコチラを真っ直ぐ進まれて街道が分かれた場所を右に進まれますと、王都がございオロロロロロロロロロロ!!」
…頑張って一回耐えたのになぁ…、まさか狙いもしないギャグみたいな事になるだなんて…。王都への道案内を終える前に嘔吐してしまうとは…!
きったねぇ。
じゃ、気を取り直して、っと。
「そんじゃまぁ、王都とやらに行ってみますかね~っと。」