次話投稿しても30PVぐらいしか見てもらえないなら
先日投稿した『あなたの作品の総合評価が0ptである本当の理由』というエッセイ作品で、このなろうでは新人が無策に新作投稿をしてもちょびっとしか見てもらえない、これは異常だ、作者は何か対策をするべき──というようなことを述べた。
けれども、それから数日、いろんな作品のPV数を調べるなりしてみて、これはどうやら、そういうものだと受け取るべきなのではないかと思いはじめてきた。
最初に例外を提示しておく。
(おそらく女性向けを想定した)恋愛モノの作品は、これから話すことの例外である。
恋愛モノの作品は、短編でも1日数千というPVをはじき出している作品が数多く見受けられる。
短編作品を週間ユニーク順で検索してみると、一目瞭然だ。
圧倒的に恋愛ジャンル、あるいは恋愛がらみの作品が多い。
原因はいくつか考えられるが、本当のところは分からない。
とにかく、このジャンルだけは例外である。
それで、その例外ジャンルを除くと。
普通の作品の場合、連載の最初の1話目が弾き出すPV数は、20~100ぐらいが一般的なようだ。
それも、アクセス数のほとんどが最初の2~3時間に固まる。
それ以後は「0」という数字が頻繁に並ぶようになる。
異世界チーレムものなどで、うまいことタイトルやあらすじで釣ることができれば、その10倍程度のPV数は稼ぎうる模様。
なろうトップページの右下のほうに、『~小説家になろう 適当な裏情報~』というリンクがある。
ここを見に行くと、真ん中あたりに「検索されたキーワードベスト30」という非常に役に立つ抽出結果がある。
ここを見ると、「異世界」や「チート」といったキーワードで、1週間に7000~8000回ほど検索されていることが分かる。
つまり1日に1000回ぐらいはこれらのワードで検索されている。
これらのタグを含めておけば、1日1000人の読者の目にとまりやすくなるのだから、1日数百というPV数がアドバンテージとして与えられるのは、当然と言えば当然だ。
なお、僕がこれらのタグを含んだ短編作品を投稿してみたところ、1日100PV程度しかいかなかった。
おそらく投稿当初のあらすじの書き方が悪かったんだと思うが、異世界モノでも、それだけで高PVがもらえるわけじゃないということだ。
(あ、もちろんただ実験のためだけに投稿したわけじゃなくて、作品内容は本気で面白いもの書きに行ったつもりですよ(ステマ))
ところで、この最初のPV数に関しては、作品の内容が面白いかどうかは問われない。
当たり前だ。読まないで面白いかどうかなんて分かるわけがないのだから。
どんなに面白い作品だって、スタート地点は同じということである。
さて、45万人も登録者がいるサイトで、PV数が20~100程度というのは、一体何を意味するか。
これはおそらく、多くの読者にとって、あなたの作品が、そもそも眼中に入ってきていないということなのだと思う。
なろうのトップページに「更新された連載中小説」としてタイトルが掲載されている時間は、タイミングにもよるが、平均して見れば、10分にも満たない。
1日に実に2000本もの連載作品が更新されているのだから、1日が1440分、更新された連載中小説の掲載枠が12作品分しかないことを考えれば、1つの作品に与えられたトップページ掲載平均時間は8.64分だ。
その8分そこそこの間に、作品タイトルに興味を持ってアクセスする読者の人数が、10人とか15人とか、そんなところだということなんだと思う。
短編や連載の1話目で30PVなら、ユニークアクセスは20人ぐらいになると思われる。
(短編作品のPV数とユニーク数を比較すれば、だいたい1.5倍そこそこといった感じなので)
この20人というのが、あなたが作品を更新するたびに与えられる、新規読者の人数であると考えられる。
先述したような条件であれば、1話目を掲載したときに見てくれた20人と、2話目を掲載したときに見てくれた20人とが重複することはほぼありえないだろうから、ほぼ純粋に新規読者の増加と見てよいだろう。
1話投稿するたびに20人が見てくれるなら、50話投稿すれば1000人が見てくれることになる。
もちろん、だから1話200字に区切って10分ごとに連続掲載するべきだ、なんて言うつもりはない。
そんな読者をおちょくったようなやり方で、読者に気に入ってもらえる作品になろうはずもない。
が、程度というものはあって、1話あたり1万字以上も書いているなら、それらを2000~3000字程度に分割して連続掲載するというのは、僕はあってもいい戦術だと思う。
もちろん、読み手ごとに適度な1話の文章量というのは異なってくるだろう。
この2000~3000字(読了時間にして5分程度)というのは、あくまでも僕個人の主観に基づいた数字である。
ただ、確実に言えることは、作者と読者の両方にとって利益になる方法があるのであれば、わざわざ悪手を踏む必要はないということだ。
また、もう一つ言えるのは、PV数が30しかないというのは、価値ある30だとも捉えられるということである。
更新を繰り返して行けば、そのたび新規の20人に読んでもらえる。
それだけのチャンスがあるということだ。
なお、1話あたり2000~3000字で50話書けば10万~15万字ということになるが、これはおよそ、ライトノベルの文庫本1冊分にあたる。
文庫本1冊分書けば、1000人に読んでもらえる。
こうして考えてみれば、そんなに悪い環境でもないようにも思うのだが、いかがなものだろうか。
▼2014/9/19追記
その後の調べで、この記事の内容が大きな誤りを含んでいることが判明しました。
結論から言うと、連載作品でPV数が30入った場合、(第1部分のみ掲載時でも)実際の読者数は8人とか、そのぐらいのようです。
以下は拙作、『奇人冒険者見本市 ~ちょっと残念な美少女冒険者たちを健全な男子が観察するだけのお話~』の、第1部分のみ掲載時のPV数、作品ユニークアクセス(作品UU)数、第1部分の話別ユニークアクセス(話別UU)を抜き出したものです。
日 PV 作品UU 話別UU
8/24 40 25 17
8/25 45 21 12
8/26 69 40 15
8/27 47 32 9
8/28 36 23 8
8/29 20 12 6
計 257 153 67
第1部分しか掲載していない段階であるにも関わらず、作品UUと話別UUとの間に大きな隔たりがあります。
なぜこんな現象が起きているかと考えれば、おそらく「作品のトップページにアクセスしたけど、第1部分にはアクセスせずにそっとページを閉じた」という人の数が、作品UUに含まれているのではないかと予想されます。
出来る限り正確な読者数を知りたい場合には、話別UUの合計値を見るのが一番良いようです。